もう一度、プロ野球選手になる。

 戻りました。

 またセミナー中の体験も書きとめておきたいと思いますが、ひとまず前に読んだ本の記録から・・・

 

もう一度、プロ野球選手になる。

 新庄剛志さんの新刊です♪これ読むだけで元気になれます。

 

P30

 もう一度、ファンのみんなと夢を追いかけよう!

 そう思って、ぼくは少し立ち止まった。

 でも、なにを追いかければいいわけ?

 ぼくには趣味がたくさんある。歌に絵画にモトクロス。それらは〝趣味のレベルを超えた趣味〟だと言ってもいい。エアブラシアートの作品は、100万円で売れたことがある。モトクロスは家の敷地にサーキットをつくって、食事も忘れて走り込んだ。

 絵を描いてもいい。モトクロスもいい。でも、なにかが足りない。

 次の瞬間、ひとつの思いが浮かんだ。

「野球だ!野球しかない!もう一度、プロ野球選手に復帰するんだ!」

 このアイデアに、ぼくは大満足した。パーフェクトだ。

 なぜって、そんなこと無理に決まってるんだから。

 夢は困難なほどおもしろい―。

 それはぼくの信念だ。

 多くの人は、頑張れば手が届きそうな夢を思い描く。

 ぼくは全然違う。「そんなん無理じゃね?」と言われることを宣言する。

 振り返ってみてよ。ぼくは、そんなことばかり言ってきたから。

 2000年のオフにメジャー挑戦を宣言したとき、ほとんどの人が笑った。

「無理だよ、無理。日本の恥になるだけだから、やめときなよ」

 2004年に日本ハムに入団して「日本一にする」と宣言したら、また笑われたよ。

 でも、どうだった?

 ぼくはニューヨーク・メッツで四番を打ち、日本ハムを3年かけて日本一にしたよ。夢を叶えたんだ。

 そう、プロ野球界への復帰を宣言したのは、〝無理〟だからだ。

 ・・・

 夢を叶えるために、絶対に必要なものが3つある。

「勘」と「経験」、そして「度胸」だ。

 ・・・

 インスタを通じて行ったプロ野球現役復帰宣言。ぼくは「起きて2秒で決断した」と、のちに明かした。でもここだけの話、けっこう迷っていたんだ。

 さすがのぼくでも、自分の年齢を知っている。

 47歳からプロ野球選手をめざす?映画やアニメのシナリオでも、さすがに却下されるだろう。

 心の中で、「なる」「なれない」「なる」「なれない」の無限ループが始まっていた。

 まずい、とぼくは思った。迷いだしたら、夢は終わる。

 そんなとき、インスタからひとつのメッセージが目に飛び込んできた。

「新庄さんは、プロ野球選手になると決めてください」

 それはフォロワーのみんなが、ぼくのプレーをもう一度見たいと盛り上がっていたときに届いた。

 ・・・

 なりたいんじゃない、なるんだよ。

 そのメッセージに背中を押されて、ぼくは決めた。

 ・・・

 起きて2秒で決めた復帰宣言は、じつはそれだけの紆余曲折があった。

 夢の実現には、口に出すという度胸が大切だ。ちょっと時間はかかったけれど、ぼくは言った。

 これだけでも大いなる第一歩だ。ぼくは夢に向かって歩きはじめた。