空海の言葉

ぼくはエネルギー体です - 動けない。しゃべれない。でも、妖精や精霊と話せるし、天の声も聴こえる。

 空海さんに教わったことも紹介してくれていました。姿勢を正さねばという気持ちになる言葉でした。

 

P91

 高校生くらいになると、宇宙根源や上級層の魂と、密に話し合うことができるようになった。・・・なかでも、空海の存在は、ぼくのなかで、会う度に大きくなっていった。

 ぼくはいつも自分の意識を飛ばして宇宙根源の近く、上級層の場所まで飛んでいく。(空海に会いたい)と思いながら飛べば、瞬時に空海の目の前まで行ける。上級層は空間が広く、そこにいる魂は優雅で威厳ある光を放ち、ゆっくりと活動をしている。魂の目の前まで近づくと、顔、姿が浮かんで、その人だと特定できる。特定できると、魂の光はやんわりと小さくなり、その人の身体のみぞおちのあたりに収まる。

 そのなかでも空海の魂はひときわ大きく、濃い黄色の光を放って輝いている。空海はいつも、ぼくが会いに行くのを喜んでくれた。そして「今日はどんな話がいいだろうか」と言って、ぼくの様子を注意深く見つめた。

 彼は言った。

「少しずつお前も大人になっていく。大人になったからには、自分を偽らず、活かしていかなければならない。お前が求めるものが大きければ大きいほど、深い学びが必要だ。私がこれから聞かせることは、お前の人生のなかで、困ったことが起きたときに思い出す話になるだろうから、よく心して聞きなさい」

 ・・・

「私がまだ若いころの話だ。何年も日照りが続いた時期があった。私は雨乞いの祈りを捧げるための旅をした。道は乾ききり、歩くたびに砂埃が舞った。石はゴロゴロと足に突き刺さり、蝉の声は耳の奥まで響いて離れなかった。朝から飲まず食わずのまま歩き続け、昼過ぎには喉がかれはて、木の陰に倒れこんだ。里はまだ遠い。もう動けない。不安になって足元を見れば、木もれ日が足を照らしていた。ハッと気づいて上を見上げれば、お天道さまは煌々と私を照らしていた。ああ、私は守られているのだな、と思った。お天道さまはお前を見ているぞ、と伝えているように思えた。人は、なにげないものに安心感を覚えるものだ。しかし、そのなにげなく見えたものは、神々が引き寄せ、与えてくれたものだ。なにげないものに、感謝して生きなさい」

 ・・・

「宇宙は、偉大な存在だ。

 多くの恩恵を土地に、山々に、木々に、野に、降り注ぐ。

 その力は圧倒的な力ではなく、優しく、そよぐように降り注がれている。

 ・・・

 そよぐように降り注ぐエネルギーは、愛だ。

 愛に、そよぎに、耳を澄ませなさい。感じなさい。

 また、恩恵は、それだけをいうのではない。

 長雨や日照り、地震といった災いも、すべて神のくださるものだ。

 すべてに感謝できるような人になることだ。

 そよぎを感じながら生きていけば、幸せであることを実感できるだろう」