プレ・シンギュラリティ

『エクサスケールの衝撃』抜粋版 プレ・シンギュラリティ 人工知能とスパコンによる社会的特異点が迫る

 エクサスケール・コンピューティングの実現のために、大規模プロセッサの開発をしている著者が、もし実現したら世界がどう変わるか、その可能性を解説してくれている本です。

 専門的なことがさっぱりわからないながら(;^ω^)なんかおもしろい方向に向かっているような?ということは伝わって来て、びっくりワクワクしました。

 昨日までご紹介してた、バシャールが教えてくれる未来像にも重なるな~と思いました。

 

P21

 エクサスケール・コンピューティングによってもたらされるプレ・シンギュラリティの変革は、まずエネルギー問題の解決から始まる、と断言することができる。・・・きわめて近い将来、我々人類はエネルギー問題から永遠に解き放たれる。

 エネルギー問題解決と同時に、化石燃料はその価値の大半を瞬時に失うこととなる。・・・地球上には化石燃料と同機能の燃料が溢れ返ることになってしまう。

 結果として、ふんだんにありあまった化石燃料やその同等品からは、化学繊維類が大量に生成され、建築資材の大半も無尽蔵に供されることとなる。

 エネルギー問題が解決される頃には、食糧問題の解決の糸口も、また、とうに明らかにされており、安全性が十二分に担保された遺伝子編集技術と、高度に進化した生産・栽培・養殖・収穫技術によって、野菜、果物、穀物、糖類、魚介類、家畜等のすべては、最大化された効率で、我々全人類を養ってもはるかに余りある数量が安定して確保され、提供されることとなる。それは同時に、地球の自然環境の保全と、きわめて重要な生物多様性の維持にも大きく貢献することになる。

 ・・・すでに国内の過疎地においては、土地がタダ同然で提供されており、自治体によっては様々な費用を負担してまで転入を促している状況である。近い将来においては、都心の一等地などの特殊な地域を除けば、生活に必要となる十分な土地は、無償か、それに近いかたちで得ることが可能になる。

 結果として、「衣」「食」「住」に関する問題はそのすべてが完全に解決され、生活必需品のすべては、事実上無料で、「フリー」と呼び得る状態での入手が可能となるのだ。・・・

 すると人類は、生活のために働く必要性から、有史以来、初めて完全に解放される日を迎える。・・・

 ・・・不労が実現し、生活必需品のすべてがフリーになると、対価という概念や貨幣の価値、あるいは貨幣の存在意義自体が大きく変化することになる。貨幣経済は急激に縮小して、その基本的な役割を終えることになる。・・・