瞑想が脳に与える影響

「病は気から」を科学する

 瞑想と脳についての研究も紹介されていました。

 ダリル・アンカがバシャールとつながるときもガンマ波が増える、チャネリングに適した状態の脳は、ガンマ波優位だと聞いています。

 脳波だけでなく、脳の細胞も変化するとは、瞑想っていいこと尽くしですね♪

(MBSRというのは、マインドフルネスストレス軽減法という、瞑想やヨガを取り入れた八週間コースのことだそうです)

 

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 瞑想が脳活動に与える影響についての研究者は、・・・特に目立っていたのが、ウィスコンシン大学マディソン校の神経科学者リチャード・デビッドソンだった。そのデビッドソンの元に、ダライ・ラマが八名の経験豊かな僧を派遣した。それぞれが数万時間も瞑想してきた熟練者だった。学生被験者と比較すると、僧が瞑想したときには、ガンマ波と呼ばれる高い周波数の脳活動が劇的に増えるのをデビッドソンは発見した―それまで神経科学者が報告したものより高い周波数だった・・・

 このガンマ波の急増は、僧が瞑想すると脳が高度に組織化され、調整され、かなりの数のニューロンがいっせいに発火することを示唆していた。さらにポジティブな思考と感情と関連する領域である、左側の前頭前皮質の活動も非常に高くなっていた。この結果は興味深いものだ。この熟練の瞑想家たちは、明らかに常識の枠を超えた意識状態を起こすことができていたのだ。

 けれども、ラザーは違うことをした。彼女は、ヨガの技法は、単に一時的な意識状態を起こすのではなく、脳の働き方を永続的に変えると確信していた。・・・そこで、脳活動を観察するのではなく、その物理的構造を徹底的に調査した。・・・

 ラザーはその結果を二〇〇五年に発表した。対照群と比較すると、瞑想家の前頭前皮質を含めた大脳皮質は、約十分の一ミリメートル厚みが増していた。「変化はほんのわずかだけど」とラザーは言う。「大きな意味がある」それは一時的な状態ではなく、瞑想は脳の物理的構造を変えられることを明らかにするには十分だった。

「本当にすべてを揺るがしたのよ」とラザーは言う。・・・

 ・・・瞑想が変化を起こしていることを証明するには、瞑想をしたことがない人を選び、その技法からどんな影響を受けるかを調べる必要があった。

 それこそラザーが行ったことであり、二〇一〇年と二〇一一年に発表したふたつの研究だ。対照群と比較すると、MBSRの八週間コースを受けた人は、海馬など、学習、記憶、感情の制御に関連する脳の領域の灰白質が増加していた。さらに彼らはあまりストレスを感じなくなり、同時に扁桃体灰白質の密度の低下が見られた。

「そこが重要なのよ」とラザーは言う。・・・慢性的なストレスとうつ状態は海馬と前頭前皮質を萎縮させ、扁桃体は肥大し、神経結合が増強する。たった八週間の訓練ののち、ラザーはその逆の変化を発見したのだ。彼女の発見は、瞑想は人を有利な立場に戻し、ストレスに強くすることを示唆している。

 ・・・

 二〇一四年に発表した研究でも、ラザーは、流動性知能(IQに似た指数)の加齢に伴う低下は、対照群よりヨガや瞑想を行う人たちの方が遅く、脳の様々な領域のつながりが向上しているのを発見した。