この本には、世界にはすごい人がいっぱいいるのだなーと驚くような話がたくさん載っていました。
こちらはタモリさんのエピソード。
P22
彼が所有している、伊豆の別荘に関する話です。
この別荘。
もともと、タモさんがその土地に生えていた10本の古い木を気に入って、土地を購入し、その10本の木を活かすように設計したものでした。
・・・
さて。
ある時の事。
この別荘に、笑福亭鶴瓶師匠を招待することにしたタモさん。
この古木の枝をきれいに剪定してもらおうと考えて、土地の管理人に「木を切っておいて」と依頼します。
当日。
鶴瓶師匠と共に別荘を訪れたタモさん。
そこで信じられない光景を目にします。
なんと、勘違いした管理人は、この10本の木をそのまま丸ごと全部切ってしまい、お気に入りだった古木は、すべて切り株だけになってしまっていたのです。
それを見たタモさん。
あっけらかんとした顔で、こうつぶやいたそうです。
「あ、切ったんだ」
事情を知って、驚いた鶴瓶師匠。
あまりにも落ち着いているタモさんに呆れながら「普通、怒るでしょ!」と突っ込みます。
その鶴瓶師匠に対して、タモさんはこう言ったそうです。
「切っちゃったもんは、しょうがない。キチンと説明しない自分が悪かった」
・・・
明石家さんまに言わせると、タモさんの「切り替えの早さと引きずらない潔さ」は尋常ではないそうです。
芸人なら、番組で「前のコーナー」がウケなかったりすると、「次のコーナー」で取り返そうとしたりするのに、タモさんはいっさいそんな事を考えないのだとか。
さんま曰く。
「あのドライさはスゴイ。あの人にしか『いいとも』はできなかったと思います」