すごい人たち

小さな幸せに気づかせてくれる33の物語と90の名言

 この本には、世界にはすごい人がいっぱいいるのだなーと驚くような話がたくさん載っていました。

 こちらはタモリさんのエピソード。

 

P22

 彼が所有している、伊豆の別荘に関する話です。

 この別荘。

 もともと、タモさんがその土地に生えていた10本の古い木を気に入って、土地を購入し、その10本の木を活かすように設計したものでした。

 ・・・

 さて。

 ある時の事。

 この別荘に、笑福亭鶴瓶師匠を招待することにしたタモさん。

 この古木の枝をきれいに剪定してもらおうと考えて、土地の管理人に「木を切っておいて」と依頼します。

 当日。

 鶴瓶師匠と共に別荘を訪れたタモさん。

 そこで信じられない光景を目にします。

 なんと、勘違いした管理人は、この10本の木をそのまま丸ごと全部切ってしまい、お気に入りだった古木は、すべて切り株だけになってしまっていたのです。

 それを見たタモさん。

 あっけらかんとした顔で、こうつぶやいたそうです。

「あ、切ったんだ」

 事情を知って、驚いた鶴瓶師匠。

 あまりにも落ち着いているタモさんに呆れながら「普通、怒るでしょ!」と突っ込みます。

 その鶴瓶師匠に対して、タモさんはこう言ったそうです。

「切っちゃったもんは、しょうがない。キチンと説明しない自分が悪かった」

 ・・・

 明石家さんまに言わせると、タモさんの「切り替えの早さと引きずらない潔さ」は尋常ではないそうです。

 芸人なら、番組で「前のコーナー」がウケなかったりすると、「次のコーナー」で取り返そうとしたりするのに、タモさんはいっさいそんな事を考えないのだとか。

 さんま曰く。

「あのドライさはスゴイ。あの人にしか『いいとも』はできなかったと思います」