ヨシダナギさん

ヨシダナギの拾われる力

 アフリカの少数民族を写した作品で有名なヨシダナギさんの本を読みました。

 ご本人も、自分は極端だ、と書いてましたが、たしかにこういう人ってめずらしいかも…だからこそできることがあるんだな~と思いました。

 

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「できないことはやらない」のと同じように、わからないことは考えないようにしている。考えるだけ無駄な気がするのだ。考えると疲れるし、あれこれと思い描いたのに、そうならなかったときがすごく嫌だからだ。できることなら極力、がっかりはしたくない。

 私は基本的に、『物事はなるようにしかならない』と思っている。そして、どうなってもいいとも思っている。これは投げやりなわけではなくて、なるようにしかならない結果が、これまで自分にとって悪かったことがないからだ。だから、どういう結果になったとしても、それは最終的にはいい結果なのだと思っている。

 もちろん失敗したその瞬間は、そのこと自体は悲しかったり、残念だったりもするけれど、長い目で見れば、それはきっと何かの始まりなのだから、きっと悪くはないはずなのだ。そうであるならば、失敗を恐れて何もしないよりも、とりあえずやってみたほうがスッキリする。

 そもそも私の場合、考えて悩んで動かずにいることができない、じっとその状態で居続けることが、気持ち悪くて耐えられないのだ。

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 自分でも「失敗するだろうな」と思っていることは結構ある。それと同時に、「どう失敗するんだろう?」とも思っている。「失敗しないかもしれないじゃん」と囁いている自分もいるし、「失敗するに決まってるじゃん」と主張する自分もいる。だが結局は、「失敗しても大したことはない」という思いが根底にあるから、やるだけやってみるのだ。

 やってみて失敗したら、すんなりあきらめられる。それが私にとっては重要だ。やらないでいたら、そのことがいつまでも気になって、他のことが頭に入って来ないのだ。私はひとつのことしかできないため、気になることがあると頭が他に回らない。だから、どうせ失敗するなら早く切り捨ててしまいたい。そして、次に行きたいのだ。

 私のことを「行動力がある」と評してくださる方がいるのだが、本人に言わせれば、ただ中途半端な状態に耐えられないだけなのである。