判断力

 再開です(^^)

 スターラインズ2では、最後の3日だけのお手伝いでしたが、みなさんの興味深い体験をたくさん聞けたり、私自身もおもしろいなと思う体験ができました。

 まだ整理できてないのですが、後日ここに記録しておきたいと思ってます。

 ではでは、また続きです。

 

日本人は「やめる練習」がたりてない (集英社新書)

 こういう力、大事だなと思います。

 

P130

 最近、マレーシアに正規留学する日本人学生が増えている。・・・

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 モナッシュ大学マレーシア校在学中の本橋恵美さんも、

「まだ卒業生は少ないですが、先輩たちは第一希望の会社に決まっています」

 と明かす。なぜか。・・・

「アジアを視野に入れた日本企業が増えています。英語が使えるし、多国籍の人とコミュニケーションができる。新興国を選択して飛び込んでいったチャレンジ精神もある。多文化への対応能力もある」「それにざっくりした指示で働ける人が多いんですよ。・・・新興国はシステムが整っていないので、ある程度、開拓者精神が必要になります。その点で、マレーシアに来る学生は、1から10まで説明しなくても動けるようになるんです。・・・足りない部分は、自分で資料を見て一つ一つ把握していき、わからないところをピンポイントで質問するしかない。自分でミスっても自分の責任です。鵜呑みにしないこと。最終的にはあなたの責任でしょ、と言われるわけです」・・・

 つまり、他人の指示を待たず、自分の頭で考えて行動することが身についてくるのだ。例えば、政府機関などでは担当者によって言うことが違うのは当たり前。その中から、自分で交渉し、必要なものを入手していくしかない。・・・

「そんなの、日本じゃ考えられない!」と怒る人もいるが、おそらく新興国の多くはそうなのではないか。・・・

「(ものが)なければないで何とかする」

「相手に言われたことを鵜呑みにせず、自分の頭で考える」

「状況に合わせて柔軟に動く」

 ある意味、日本をはじめとする先進国の「全てがシステムとして整っている」環境とは真逆な世界がここにはあるのだ。

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 ・・・お膳立てされた日本から来てマレーシアに慣れていくと、いかに自分がものを自分の頭で考えることをサボっていたかがわかってくる。新興国では「人がやることだから、間違いは起きるし、完璧にはできない」というのが前提なのだ。人によって全く言うことが違う。「マニュアルや基本事項を書いたものはないのですか」と聞いても、たいていそんなものはない。人々の側が自分で考えて判断するのだ。そしてその判断は毎回同じとは限らない。

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 マレーシア人は、政府や公的機関やマスコミを日本人ほど信用していない。必要があれば、国も変える、という人も少なくないのだ。実際、2018年の選挙結果を見て、ダメなら国を変えようと思うと言う人はけっこういた(逆に選挙の結果で戻ってきた人もいた)。

 ところが、子供のころから親や教師の言うことを全部聞いていると、この判断力が鈍ってくる。・・・

 他人に判断を委ね、他人に期待しすぎるとどうなるか。結果として失敗が起きたときに相手に落胆し、失望し、怒り出す。

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 まわりに判断力がないのなら、無視して自分で動くしかない。「このサイト怪しい」と思ったら読むのをやめるとか、学校の先生を見て「あ、この人たち判断できないんだ」と思ったらその学校を辞めさせてみるとか。この国マズイな、と思ったら国を変えてみるとか。

 子供に教えるべきは、自分で判断し、自分で責任を取る能力、そのものではないだろうか。