ゆとり、余裕があって、いいですね~(^^)
正義の数が一つではないというのは、どこにいても、誰といても、そうだよなと思います。
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マレーシアに来て楽なのは、街中で怒っている人を見ることがほとんどなくなったことだ。・・・マレーシアといえば、「寛容性」というキーワードで紹介されることが多いくらい、本当にビックリするほど怒らないのだ。
ジョホールバルの空港でヘイズ(煙害)のため、飛行機が6時間も足止めになったことがある。いつ出発するのかは、誰に聞いてもわからない。代替のバスなどもない中、ビジネスマンも大勢足止めされて、空港は待つ人がいっぱいになってきた。ところが、誰も怒り出したりイライラしたりしない。そのうち、空港のラウンジが開放されると、知らない人間同士でのんびり名刺交換が始まった。一緒にコーヒーを飲んだりして、実に和やかな雰囲気。私も出張中のマレーシア人ビジネスマンのチームと仲良くなった。
よく考えたら、不可抗力で飛行機が止まっているのに怒ること自体がおかしいのだが、日本なら定期運航しない交通機関にイライラしたり、クレームを言ったりする人が出てくるだろう。空港職員も無駄に怒られないので、別に「ご迷惑をおかけします」などと謝ることもなく、無愛想に淡々と仕事をしていた。ちなみに、このときに仲良くなったマレーシア人ビジネスマンたちとは、今でも関係が続いている。
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・・・マレーシアのような多文化の社会では、「正義」の数が一つではない。そもそも「何が正しくて」「何が間違っているのか」が曖昧だ。時間の感覚にしてもそうで、「お茶でも飲んで、世間話をしながら、ゆっくり仕事をするのがマレーシア流です」と断言する人もいる。
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「常識」「マナー」もここでは曖昧だ。以前、インド系の友達とご飯を食べていたら、「結婚は星占いと家柄で親が決めるのが常識だよ」と言われて、華人の友達とビックリしたことがある。「常識」の数があまりにも多すぎてわけがわからなくなる。
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面白いもので、怒らない良さに気がつくと、しょっちゅう怒ったりクレームを入れたりする人は確かに子供っぽく、自分の感情がコントロールできない「かわいそうな人」に見えてしまう。このことをツイッターで書いたところ、東南アジアの他の国(フィリピン、タイなど)や、フランス、オーストラリアの日本人在住者からも「同じです」と反響があった。「怒ることが損」な国は、私たちが思っているよりもたくさんある。もしかしたら、こういう国こそが世界のスタンダードに近いのかもしれない。
ところでまた3日ほど、ブログをお休みします。
九十九里にスターラインズ2https://www.aqu-aca.com/seminar/starlines2/のお手伝いに行ってきます。
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