文明

 再開です(^^)

今、生きる秘訣―横尾忠則対話集 (知恵の森文庫)

 手塚治虫さんとのこのやりとり、読んでいて、何かを思い出せそうな、不思議な感覚になりました。

 

P266

横尾 しかしね、現在の文明は二千年前から始まってるといわれているわけですけど、それ以前に、アトランティスとかムー大陸があったんじゃないかという人もいますが、それはぼくはあったような気がするんです。

 彼らがすでに我々以上に発達した文明を持っていたことも。

 

手塚 たとえばインカならインカでも、我々よりも進んだ文明だったとぼくは思ってるわけ。だってね、0.五ミリのこんな首飾りの玉があるんですよ。0.五ミリといったらぼくはちょっと測れないくらいで、そこに穴があいてるんです。糸を通してあるんです。・・・

 それからこれも驚いたんだけど、0.三度の勾配で平原に傾斜をつけてるんです。傾斜をつけてこっちから降った雨が流れるようになってるわけです。それで、トンネルに入れてそこから下のほうまで灌漑用に運んでるわけです。0.三度といったら、今でも本当に緻密な計算をやらなければとても勾配とれないんだけど、インカがやってる。そういうのを見ると、ぼくは今の文明は何だと思っちゃうのね。

 それから、例の頭に穴あける手術とか、これも実際にその手術をした骸骨を見ましたよ。それから、これはまったく別の問題なんだけど、身障者が普通の一般の人間よりも尊敬されてるという、我々にとっては異質な社会、こういうのは異質な文明ながら我々も高等と認めざるをえないでしょう。

 そこら辺が滅びてしまった。で、我々の文明があるわけですよね。我々も滅びてまた次の文明がくるかもわからんけど、そういうことは恐らく人間が文明ごとに発達していくんじゃなしに、一応同じレベルであるんじゃないかという気がするんです。

 ・・・

 ・・・文明はあるところまでくると繰り返してだんだん衰えてきて、自然にだめになっちゃうような気がする。

 ・・・

 まだ地球的な規模の国家問題とか国家意識みたいなものがある間はだめで、これが地球外の天体に生命が見つかったとか、人間が地球から飛び出したときに初めて、鳥瞰よりもっと上の視点から地球をながめたときに初めて気がつく人が出てくるんじゃないかと思う。

 

横尾 だから、ぼくは最終的に人間が単に三次元的存在ではなく四次元的存在であることを知って宇宙意識に目覚めないと、今の世界は変わらないような気がするんです。・・・

 ・・・UFOは若い人たちの宇宙に対する意識の向け方の大きなメリットになってると思いますね。

 

手塚 そういう意味じゃUFOをどんなに隠したって隠し通せるものじゃないしね。