とにかくほめる

ブリッランテな日々

 日本人ピアニストとイタリア人のご夫妻による、イタリア流の幸せな暮らし方についての本を読みました。

 そういう考え方、そういう姿勢っていいな~と思うところがいくつもありました。

 

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 イタリア人の父親、母親は、子どもの良いところを見つけて、とにかく褒める。特別に褒める材料がない時でも、良いところを見つけ出して、褒めあげて伸ばしていくのです。・・・

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 日本人から見れば、イタリア人は全員親バカに位置してしまうかもしれませんが、子どもたちも自分が親から世界一愛されていると実感しているので、大きな自信を持って堂々としている。

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 レッスンでも、こんなことがありました。ある日、日本人の僕は前もって予防線を張って、「今週は体の調子が良くなくて、十分に練習出来なかったから、あまり上手く弾けない」と言ってから演奏した。でも、これは全部嘘。本当は勉強したのだけれど、まだ全然上手くいかないだけだったんです。それに対する先生の反応は今でも忘れられません。「練習しないでこんなに上手に弾ける?お前はすごい奴だ。タカヒロ、もう少し勉強したらお前は天才だ!」と。そんなことは、今まで一度も言われたことがなかった。

 もし、同じレベルの人が競い合ったら、きっとイタリア人が勝つだろうと、その時強く思いました。「ダメだから勉強しろ」と言われ続けた日本と、「素晴らしいぞ、もう少しやればもっとすごいぞ、頑張れ!」と言われ続けたイタリア。イタリア人に宿る自分への信頼というのは、子どもの頃から培われた筋金入りなのです。