これも大事なこと

ET地球大作戦 (TEN BOOKS)

救世主コンプレックスに気を付けましょうというのは、大事な姿勢だなと思いました。

 

P113

 ここでひとつのことを明確にしておきたい。この作戦はだれかを「助ける」作戦ではない。この惑星の住民はすべてマスター(師)である。エイリアンですらエイリアンであることを見事に達成しているマスターである。地球に存在する人々はみんな自分がどういうゲームをやっているのかを承知しており、それぞれ自分でその決定をした人々である。ある人が制限のマスターとしての存在を継続することを選択したならば、それはその人の権利であり、だれもそれを奪うことはできない。人々を本人自身の権利から救い出すことはこの作戦の意図するところではない。我々が派遣した地上隊員が救世主的な情熱に燃えて、人々を自由意思から救出しようと走りまわっていたとしても、それは作戦本部の要請によるものでもないし、カウンシルの予定にもない。

 地球は制限を超越して進化するという選択をした。しかし、制限のプロセスをさらに探究することを選択する人にはその自由がある。ただし、それはこの惑星上においてではない。そのような人々は、進化が比較的遅れている惑星において制限についての実験の継続を許されることになるだろう。

 この作戦メンバーは制限の代わりに神聖な表現をマスターするという選択をし、今という時にこの惑星上でそれをやるようにとの要請を受けたのである。ぜひここで諸君に肝に銘じておいてほしいのは、ある選択のほうが他の選択よりもいい、ということは決してないということである。ある選択のほうがこの惑星にはより適している、ということだけである。半分目を覚ました状態で情熱の向けどころを間違え、だれかを諸君の選択と同じものに「改宗させよう」などとしてはいけない。そうする代わりに、諸君が選択したそのものになりきってもらいたい。