くまのプーさん

 さいしょ、佐賀のがばいばあちゃんの話をここに書いてましたが、なんと3年前にまったく似たような記事を書いてたことに気づき(笑)こちらに差し替えました(^_^;)

 

プーさんと一緒にマインドフルネス 私らしく生きる心の整え方

ちょっと好みがわかれるかもなー…と思われる本でしたが(^_^;)、冒頭のこのお話がよかったです(^^)

 

P14

 ごくありふれた朝のこと。くまのプーは目覚めると、いつもと同じ、お気に入りのやり方で一日をスタートさせました。

 まず、彼は手足をうーんと伸ばしました。ほとんどあくびのようなため息(それとも、ほとんどため息のようなあくび?)が体の奥深くで生まれ、うねるようにのぼっていって鼻を抜け、「あ~」とか「あ~ん」とかいった声となって口から出てきました。彼は座ってもう少し伸びをすると、目をこすって眠気を追い払いました。

 プーは体中を少し震わせました。体のどこかがまだ目覚めていないかもしれないからです。そこから、まっすぐに座り直しました。

 彼は新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと、一瞬息を止めてからすべて吐き出しました。毎朝三回それを繰り返し、体内の澱んだ空気と心に絡みついたもやもやを払っているのです。

 次に、プーは目を大きく見開いて、視界に入るあらゆるものをとらえようとしました―色や形、光と影の濃淡。壁には黄色い日差しが踊り、部屋の隅には茶色のイス、テーブルの上にはまぶしいピンク色をしたピグレットの写真が置かれています。

 プーは耳を澄まして、聴こえてくるあらゆる音もとらえようとしました―遠近も大小も高低も、それぞれに異なる音。壁の時計はチクタク時を刻み、窓の外では小鳥たちがさえずり、さわさわとやさしい葉擦れの音も聴こえます。

 仕上げに、彼は「朝の詩」をうたいました。

 ほんとのプーでいられるよう

 たったふたつのことだけしよう

 そのひとつ目は、ごちゃごちゃと考えずに、できる限り、「今、ここで起きている体験」に集中することでした(おつむの弱いくまにとっては、わけもないことです)。

 ふたつ目は、自分自身も含めて、みんなにできる限りやさしくすることでした(気前のいいくまにとっては、わけもないことです)。

 ぼくらしくいるのは難しいことじゃないなとプーは思いました。「今、ここ」に、やさしい気持ちでいるだけでいいんだもの。