責任はとるから自由に

力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方 (講談社+α新書)

オレが責任をとるから、という所を読んで、熊本県の県知事さんもその姿勢でいたから、その成果がくまモン人気につながったという話を思い出しました。

 

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原 ・・・ミーティングなどでチーム全体に私が言っているのは、いまの陸上界のあり方、箱根駅伝のあり方の話です。箱根駅伝という単なる点の話ではなく、もっと大きなビジョン、具体的にはもっと陸上界、箱根駅伝自体を盛り上げていくにはどうすればいいのか、君たちのアイデアを教えてくれよと言っています。・・・

原田 もちろん、箱根優勝は目標ではあるけれど、そのもっと先の陸上界自体をオレたちで変えるぞ、というような論点で皆で話し合う、ということですね。目標設定レベルが大切で、そこそこの目標を立てると、マックスがその目標の達成で、それを下回るケースも多い。でも、大きな目標を立てると、目標を達成できたらすごいし、仮にできなくても、いまより数段高みに登ることができる、ということですね。また、自分のチームだけじゃなく、陸上界自体を変えていこう、という目標は、暗い時代に生きてきたゆとり世代の若者たちにとっては、大変ロマンのある夢に感じるのかもしれませんね。

原 ええ。こうした話の時は、学生にアイデアを出してもらう形をとっています。最初から私が自分の思いや考えを彼らに伝えることはしない。そうすると彼ら自身の頭から何も出なくなってしまう癖がついてしまうので。最終的には親分のオレが責任を取るから力を貸してくれないかというような手法を意図的にとるようにしています。

 そして、話し合われた内容を外に出すときには、もちろん私の意見として出す。それによってバッシングを受けても、私が責任をとる形にしている。