モバイルボヘミアン

モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには

「モバイルボヘミアン」という本を読みました。
モバイルテクノロジーに疎い私には縁遠い世界ですが、こういう生き方もあるんだな―と興味深かったです。

P51
 ぼくは未来を予測した本が好きでよく読むが、そこに書かれてあることがまったくそのとおりにならないにしても、それを読んで自分なりに対処することはできると思っている。もしもこうなったときに自分はどうしていたいか、と。
 たとえば、ぼくが働いた2社目の会社オラクルが提供していた製品は「ネットワーク・コンピュータ」と呼ばれるものだった。
 この製品は1996年、今から20年前に「これからのコンピュータにはハードディスクはいらない」というコンセプトで、すべてのデータはメガサーバーの中に入っていて、個人のパソコンはOSだけで、アプリケーションやデータをダウンロードして表示する機能にすぎないものになる、という発想をもとにつくられていた。当時は発想自体が早すぎて普及しなかったが、今思えばこれが現在の「クラウド」のベースになっている。
 この体験から学んだことは、時代の流れを見据えてものづくりをするということ。今この瞬間に100%のプロダクトなんて必要ではなく、もしあったとしてもそれは時代遅れのものでしかない。
 人生に置き換えると、今、この瞬間に「これができなきゃ」とか「あれができなきゃ」ということは実はどうでもいい話で、今この『モバイルボヘミアン』を読んだあなたが、来るべき時代に自分がどうなっていたいのか、を考えて実行していくということ。
 それこそが、自由を掴むために大切なことなのだ。
「自由になりたい」、「やりたいことをやりたい」と多くの人が望んでいる。しかし、本当の自由とはどういうものなのだろうか。
 多くの場合、自由とは「働いている会社と自分との間」にあるものだと思うが、この本でいう自由とは、もっと大きなもの。
 自由というのは与えられるものではなく、勝ち取るものだ。
 だれかにコントロールされて生きるのか、自分でリスクをとって自分の人生を生きるのか。そのどちらをとるのか。真剣に考えてもらうために書いたのがこの本だ。