久しぶりに須藤元気さんの本(10年前のですが ^_^;)を読みました。
ここは、おとといと同じ、「今を生きる」ということについて書いてあったところです。
P150
僕はいろいろな苦悩と迷いを、シンプルな法則を使って乗り越えてきた。
その法則とは「今、この瞬間を生きる」というものである。
人は過去も未来も生きることはできず、今この瞬間しか生きられない。
人はいろいろと問題や悩みを持っているかもしれないが、今この瞬間に我慢できない苦しみはあるだろうか?
ほとんどの人が今この本を読んでいるということは「今」乗り越えられない苦しみはないはずである。しかし、今しか生きられないのに多くの人は常に過去とか未来のことを考え、頭のなかで生きてしまう。
リアリティとは、今この瞬間にしかない。今生きることにより、過去の過ぎてしまったことにあれこれ後悔せず、未来に対する不安もなくなる。
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では、今、この瞬間を生きる方法とは何か?
それは一瞬一瞬「常に、自分のベストを尽くす」ことである。
例えば、僕は格闘家としてのデビュー当初は、試合において力を出すことではなく、勝つことばかりを考えていた。しかし、人間おもしろいもので勝つことばかり考えていると、負けたらどうしようと考え始めるのだ。勝つという意志は大事である。しかし、考えが極端すぎると緊張というものに繋がり、体が萎縮してしまい本来の力を発揮することはできなくなる。
僕は経験を積むうちに自分本来の力を出す(ベストを尽くす)ことだけに集中し始めた。自分がベストを尽くして勝てばうれしいし、負ければ現時点で相手が強いだけのことであるから結果に納得がいく。こう思えるようになってからは「今を生きる」ようになった。
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今、自分の立ち位置でベストを尽くせば、悩みに費やすエネルギーは減少し、意味のない後悔や不安から解放されていく。
昔、禅の開祖、達磨大師にある人が相談にきた。
「とても不安なんです」
達磨大師はその不安を今ここに出してみなさいと返した。
すると、相談者はこう答えた。
「いや、今はないんです」