今を生きる

究極の選択 (集英社新書)

再開です(^^)

桜井章一さんの本、数日前にアップしたよしもとばななさんの本にもありましたが、体や感覚が改めてとても大切だなと思いました。

 

P104

「明日死ぬのか?それとも明後日か?」時間を気にしていたら不安ばかりが増大していくが、うんと楽しいことをしていれば、日にちの過ぎていくことも忘れられる。

 不安を楽しみで埋めてしまえば、気持ちよく死んでいける。

 人の一生は長く生きることよりも「どう生きたか?」のほうが重要だと思うし、私自身、常に〝今〝を大切にして生きてきた。だから、七〇歳を過ぎて、「もう十分だな」と感じているし、自分が一〇〇歳になった姿などはまったく想像できない。

 そもそも、「長生きしたい」とか「どう老後を生きるか」といったことばかり考えず、今を大切に、今を楽しく生きていれば、変な妄想も幻想も出てきやしない。

 もっとも、この社会で今を大切に楽しく生きていくことはなかなか難しい。それは、絶えず将来の目標を掲げることを迫られるような環境にあるからだ。仕事では常に目標が立てられるし、生活では将来予想される出来事や変化に備えていろいろな目標を持たざるをえない。そんな空気に拍車をかけているのがネットやメディアから発信されるおびただしい情報だ。

 このように現代人は非常に頭でっかちな生き方をしているが、頭というのは基本的に過去を振り返ったり、未来を想ったりする機能を持っている。だから、今を楽しむという生き方に変えていきたいのなら、頭を休めて感覚を動かす時間をできるだけ持つようにすることだと思う。

 頭には時計が入っているが、感覚の世界に時計はない。そんな感覚を立ち上げ、どれだけ「生」を味わい、楽しめるか、そこに未来や過去の呪縛から離れるヒントがあるのではないだろうか。