今日をいっしょうけんめいで生きる

今日をいっしょうけんめいで生きる

「今日をいっしょうけんめいで生きる」を読みました。
 読みながら、なんとなく今日を過ごした自分(^_^;)
 でもなんとなく過ごせることへの、ありがたさに気づけました。

P85
 ごくあたりまえのくらしができるしあわせも、若いときはあたりまえすぎて見逃していました。
 私は若いときにわからなかった言葉を、ふと思い出して、ああ、そうだったのかと納得することがよくあります。宮澤賢治が、亡くなる少し前にある少年にいった言葉というのを、賢治ゆかりの人からきいたことがありました。
 はっきりおぼえていませんが、それは、北風に向かってまっすぐに歩けることが、どれほど大事かをしっかりおぼえておきなさい、というようなことだったと思います。
 そのときは、病んで衰えたからだをかこつ思いととらえていた私ですが、寒い北風に向かって何でもなく歩ける自分のしあわせなどには思いも及びませんでした。
 からだの衰えは病気ばかりではないこと、年を重ねてはじめてわかる「できなくなること」に気づくと、ごくあたりまえの日常生活が、あたりまえにできるしあわせということまでわかってきます。

P100
 ・・・私はできる限り一人ぐらしをつづけたいので、健康を守るために守っていることが二つあります。
 まず「しっかり食べること」、そして「明るく考えること」です。
 以前、あるシンポジウムで、聖マリアンナ医科大学病院の栄養学の先生でいらっしゃった中村丁次先生・・・とごいっしょになったとき、先生が出されたテーマが「おいしく食べて、元気に死ぬ」ということでした。
 私は目からウロコが落ちたという言葉通り、これだ、と思いました。健康を守りつづけるためのすべてが、この中村先生の出されたテーマの中に含まれると考えました。
 すべてを明るく考えるのは、むずかしいところもありますが、少なくとも、自分の身のまわりにある小さなしあわせに気づいて、それをひろい集めること、それを目標にすれば、何とか明るい気持を持ちつづけられましょう。