両面で1セット

悪魔とのおしゃべり

戻りました(^^)
また「悪魔とのおしゃべり」から。
何ごとも両面で1セット、というお話の一部です。結局どちらがいいも悪いもないというか、視点の置き方で世界の見え方は全然違ってしまうというか…

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悪魔 そうだ。何事でも、そうなのだ。「片側」だけで存在することなどできない。絶対に両面で1セットなんだよ。
 貴様ら人間はよく、「世界から悪を消し去りたい」と言う。実はそれは、簡単に実現できる。神を殺せばいいのだ。神が消えた瞬間に、悪も消える。
 逆に言うと、もしも世界から「悪」が消えてしまったら、神も消えてしまうのさ。

みつろう なるほど。世界には「悪」だって必要なのか。正義のヒーローは、「悪」がいないとただの筋肉バカですもんね。「悪」を倒すお陰で、ヒーローだと認定されるのだから。「悪」が筋肉バカを「ヒーロー」にしていたのか。

悪魔 そうだ。「悪いこと」が「良いこと」を生み出している。悲しみが、喜びを。苦しみが、開放感を。焦りが、落ち着きを。ネガティブが、ポジティブを。「後ろ向き」が「前向き」を。
 ほら、娘のブランコを見ろ。前にばかり進むブランコなどあり得ない。「後ろへ戻る」からこそ、「前へ進める」のだ。
 不幸以外が、あなたを「幸せ」にしたことなんてこれまでに一度もないよ。
 ・・・
 ・・・相対する「ナニカ」のお陰で、初めてそれ自身について語ることができるのだ。これが、「相対性システム」さ。
「短い棒」があるから、「長い棒」だったと言える。「軽い棒」があるから、あぁ私は「重い棒」だったのかと分かる。「細い棒」があるから、自分の「太さ」が分かる。だから、「不幸」は貴様ら人間のために発生しているのだ。
 貴様ら人間が「幸せ」を願ったから、その願いを叶えるために、システム的に「不幸」が必要となり発生する。