85歳のチアリーダー

85歳のチアリーダー

85歳でチアダンス?とちょっとびっくりして、読んでみました。
徹子さんとか佐藤愛子さんを思い出す、常識にとらわれない生きる力というか、色々興味深かったです。

P82
 私にとってチアダンスは、"ハマったもの"のひとつなのだと思います。62歳で思い立って、チアダンスのグループを立ち上げ、結成から20年以上、いまだに熱心にやっていて……と聞くと、私が何もかも全力投球、情熱に溢れた人物、と思われるかもしれません。でも、決してそうではないのです。
 なんて言うか、やってみたら何もかもが順調にうまくいくということが、何度もあって、これまでうまくいったことはすべて、偶然の産物なのです。壁にぶち当たっても2度3度とチャレンジして、乗り越えて……ということは、自慢ではありませんが、私はほとんどやりません。
 たとえば、留学から帰国した57歳のとき、住んでいる市のカルチャーセンターに「老年学を教えたい」とお願いをしに行ったことがあります。でも、担当者から「そういう学問には誰も来ない」と言われて、「あっ、そ!」。以上、終了です。「老年学はこれから日本には必要なんです」と熱弁し、担当者を説得してなんとかしようという気はありません。
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 チアダンスだって、「やろう!」って思い立ったとき、友達がすぐに賛同してくれて、青山学院大学のバトン部のキャプテンをリクルートできて、練習場所も問題なく確保できて……と順調にいったから、今も続いていると思うのです。もしも、何かどこかのタイミングで障害があったら、やめていたかもしれません。少なくともはじめるのがずっと遅れていたでしょう。
 興味が湧いたことは、一度は必ず行動に移す。行動に移すときは一生懸命。だけど、ダメだったらそこまで。決して、無理をしない。 
 その繰り返しですが、でも、試してみたその一回が、うまくいくことが結構、あるのです。だから、「何かしようかな」と思っている人は、一回だけでいいからトライしてみたらいいと思うんです。
 やってみれば、きっと、私だけじゃなくて、誰でも意外とうまくいったりするものです。
 でも、その一回が踏み出せない。「なんて言われるんだろう」という周囲の反応を考えてしまうのかもしれません。
 だとしても、一回はやってみるといいんじゃないかしら。だって、ダメでもともと。ダメだったら、「あら、そう!」「以上、終了」で、やめたっていいのだから。