必要最低限を知る

モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには

たしかにこれは大事なポイントですね。

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 ミニマム・ライフコストとは、ぼくがつくった概念で「自分や家族が健康的に生活するために必要な最低限のお金」のこと。これさえわかれば、「これ以上は無理して稼ぐ必要はない」ということに気づくのと同時に、ムダな出費こそがもっともハイリスクな行為、という「お金の本質」を知ることもできる。
 自分の生活はいくら稼げば成り立つのか。完成した収支表(家計簿)は、あなたの「人生のムダ」の映し鏡となる。それを把握した状態で生きることが、お金への焦りや、お金を失う恐怖からの解放につながる「自由への近道」なのである。
 ぼくは、レコード会社で働いているときもつねにこのコストを把握していた。
 東京で働いていたころのその金額は、だいたい20万円ほど。1カ月のうち20日間ほどコンビニでバイトをすれば稼げる金額だった。楽勝だと思った。
 当時のぼくは、このコストを把握することで、「最悪、今の仕事をクビになっても大丈夫」と、つねに腹をくくることができた。リスクをとって思い切った挑戦ができるようになり、30歳を越えてから次々とヒットを出せるようになった。
 ボーナスや給料を微妙に増やすために、人間性が試される局面で妥協したり、承服できないことをするために魂を売る必要もなくなった。
 だからこそ、本当に納得できることに集中できたし、会社や周りに反対されても、自分の信念に従って行動することができた。それが大きな成果へとつながったのだ。
 ここぞというときに、失敗をおそれず、リスクを負って挑戦できる人間は、強い。
 つまり、ミニマムライフ・コストを把握することで、本当の意味での自由を手にすることができ、人生を決めるような重大な機会に挑戦することができるようになるのだ。
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 講演会で、参加者に各自この計算をやってみてもらう機会があるが、ほぼ全員が「こんなに少なくて大丈夫だとは知らなかった!」と驚くのだからおもしろい。
 これを把握していない人ほど、「なんとなくこっちが安定路線だ。本当はこれをやりたいけど、あっちにいった方が稼げそうだ」という短絡的な選択をしてしまい、あなたの人生の本質ではないことに、多くの貴重な時間、つまり「命」を浪費してしまうことになる。
 今すぐ、あなたのミニマム・ライフコストを計算してみよう。
「なにを失うことが本当にこわいのか?」を把握したうえで、「どうなっても生きていける」と確信した瞬間、人は勇気を手にし、行動することができる。

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