ヨメさんの言葉

野球と余談とベースボール (マイナビ新書)

田口壮さんの本、面白かったのでもう一冊読んでみました。
この本は日本とメジャーの違いが詳しく書いてあって、どちらの野球も大好きな私にはとても興味深い内容でした。
その中にちょこっと出てきたおヨメさんの声かけがすばらしかったです(^^)

P5
 ・・・僕の立場は「なんやねん」と憤っていた選手から、「なんやねん」と言われかねない野球解説者へと変わりました。そこを危惧してか、引退し、解説の仕事に就くと決まった時、ヨメがふと言ったのです。
「自分が選手だったからって、野球のすべてを知っているとは限らない。どれだけ若い選手にも、頭を下げて教えを乞えるような、時代の流れに謙虚な解説者になれたらいいね」

P68
 ・・・メジャー志向のある後輩たちには、「チャンスがあるんやったら、どんどん目指したほうがいい」と言い続けてきました。彼らより先にメジャーを経験させてもらった者として、「ただし、絶対に泣き言は言うなよ」とも補足しました。成功や失敗は世間でなく自分で判断すればいい。でも、「あの時、日本に残っておけば……」などと後悔するような覚悟ならば、ただ奨励するだけではなく、その点だけはしっかり伝えておきたかったからです。
 もっとも、僕自身、メジャーに行くと決めた時、ヨメから「たった一度の野球人生だから、家族より自分の意思を尊重してください。でも、何を選んでも、こんなはずじゃなかった、とだけは絶対あとで言わないでね」と、にっこり笑って忠告されたんですけどね。