ずらしていく

「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本: 物忘れしない脳の作り方

ストレスとの付き合い方、サイクルをずらしていくって大事ですね(^^)

P175
茂木 ・・・羽生さん、ストレスってどうされてますか?

羽生 忘れるって、けっこういいんじゃないかと思うんです。

茂木 忘れる力。

羽生 忘却力っていうか、忘れるってけっこう大事ですよね。上手に忘れるっていうか。切り替えるってイコール忘れるってことなんじゃないですか。・・・休んだり……。全然違うことするのがいいですよね。車の運転がダメだったら自転車で、とか。自転車で気分転換できなかったら、泳ぐとか。でも、そのことから離れようと思うのはダメで、考えないようにすればいいと思うんです。走ってたら考えないじゃないですか。それが切り替えてるってことになるのかなあって。・・・

茂木 ・・・今とても重要なことをおっしゃったと思います。考えないようにする、ってことがものすごくキーなんですよ。たとえば将棋で負けちゃったとか、人生のいろんなことで悩んでることあるじゃないですか。それについてずーっと考えてるから抜けられなくなっちゃうってことがあるんですよね。考えない時間を持つことだけで全然違うんです。

羽生 結局、そういう状態から抜け出すためには、そのサイクルから抜けるってことが大事なんで、本当になんでもいいんですけど、通常と違うこと、髪型変えるとか、部屋の模様替えするとか・・・同じことの繰り返しにならないことのような変化をつけるっていうことがよくて。それはあんまり大胆なことじゃダメなような気がする。いきなり仕事辞めるとか。引越しするとかそういうことじゃなくて。・・・過激なことじゃなくて、ささいなことを変えるくらいでもけっこう変わるってことはあるんじゃないかな。

茂木・・・たしかに迷って悩んで、そこ、ぐるぐる周りの人って同じサイクルを何回もたどっていることが多いから。少し変えるってことですよね。

羽生 ちょっとずつ変えると、そのサイクルがちょっとずつずれていくっていうことはあるんじゃないかなっていうふうには思います。・・・若い時になかなか切り替えられないのは、よく覚えているからだと思うんですよね、細かいことを。でも年齢上がってくるとどうでもいいことをどんどん忘れるから、だから切り替えやすいはずなんですよ、きっと。