がばいばあちゃん

プロ論。3 佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)

島田洋七さんのインタビューには、がばいばあちゃんの名言の数々が…再読したくなりました。

P168
 さすがにこのときは落ち込んで、佐賀のばあちゃんに電話した。「野球もダメ、漫才もダメ、オレだけついてない」って。そしたらばあちゃん、ガチャンと電話を切りよった。電話代がもったいないからって(笑)。それからしばらくして、ばあちゃんから手紙が届いたんです。そこには「コツコツやってもと思う前に、コツコツやれ。コツコツの後に成功がある」と書いてあった。野球はケガしたんだからやめてもしようがない。でも、漫才は続けられるんだから、苦しくてもやめるなと。
 僕は、ばあちゃんのこの言葉がいちばん好きでね。今でも大事にしています。・・・
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 レギュラー番組の司会が週に15本もありましたからね。まさに寝る暇もない状態でした。それが4年間続いて、漫才ブームが終わりました。出演番組はどんどん減っていったし、無理がたたったのか体調も悪くなった。台本を見るだけで、気持ち悪くなるほどだったんです。
 それで、ばあちゃんにどうしたものかと相談しました。そうしたら、「4年死ぬほど働いたんだから、4年遊べ」という。「山を登ったら、今度は谷も下りていけ。いっぱい気づくことがある。そもそも頂上なんて住むところじゃない。記念撮影が終わったら下りてこい。谷はいいぞ。鳥もいるし、きれいな花も咲いている、川だって流れている。川で体を洗ってさっぱりしたら、もういっぺん山の頂上へ向かえ」と、こう言うんですよ。
 これを聞いて、スッと気が楽になりましてね。4年遊ぶところを6年遊んじゃいました(笑)。
 ・・・「見栄を張るな、誰も見ていない」。ばあちゃんは、よくそんなことを言っていましたよ。
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 成功の秘訣を聞かれますが、まずは、うまくいかなくても落ち込まないこと。ばあちゃん流にいうと「他人がこけたら笑え。自分がこけたらもっと笑え」です。失敗しても大声で笑えば、人をねたまないですむし、うらやましくもなくなる。それでうまくいったら、今度は思いっきり、自分を褒めてやる。これができれば、どんな状況でも楽しく暮らしていけますよ。