もうちょっとつづきです

イチロー×矢沢永吉 英雄の哲学

イチローさんがドラマに挑戦したときのお話です。

P87
矢沢 ・・・「何でドラマをやろうと思ったんですか?」ということをぜひ聞いてみようと思ったんです。

イチロー うーん、『古畑任三郎 ファイナル』に出るまでの経緯は、いろいろとあるんですが、ひと言で言うと、やっぱり、刺激が欲しかったんですね。

矢沢 ……わかりますよ。

イチロー なにか、ちょっと飢えてしまっている自分がいる。なにか、違う世界から刺激をもらいたい自分がいる。だから、自分とはまったく別世界に触れて、しかもその世界における一流のものに触れれば、自分はそこで刺激や新しいなにかを感じることができるだろうということは想像できました。

・・・

矢沢 すごくいい経験になったでしょう。

イチロー いやあ、ほんとにもう怖かったです。やる前は、正直もうこの話はつぶれちゃったほうがいいのかななんて、思ったこともあったんですけど(笑)。・・・振り返ってみるとすばらしい経験だったんだなってあらためて思えました。・・・いろんなことにトライしていきたいなっていう自分が、もうすでに自分の中に現れてますしね。

・・・

矢沢 やっぱり、なにかに飢えている、なにか刺激が欲しいという人間は、いままでとは違う、自分の知らない世界の扉を、開けたくなるもんなんです。そして、扉を開けたら、そこで必ずなにかを感じるんですよ。