このあたりも、すごいなぁと・・・

イチロー×矢沢永吉 英雄の哲学

イチローさん、改めて尊敬・・・と思ったところです。

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矢沢 でも、イチローさんは有言実行っていうか、先ほど五〇歳までやりたいって言ってましたよね。そして、その言葉の落とし前をイチローさんは自分でつけると思うしね。

イチロー 怖いですけどね。やっぱり、発言するということは怖いことです。でも、そういう時期って、僕は必要だと思ってるんです。自分に重荷を課すということは。ひょっとしたら三二歳の僕にとっては、まだ早いことなのかもしれないですけど。でも、人生のいろんな節目節目で、僕はそれが必要だと思ってるんですね。

矢沢 ええ。

イチロー 特に、もがいてももがいても、なにを考えても、なにをトライしてもダメなときが、人生にはあると思うんですけど、そういうときこそ自分に重荷を課すということが必要だと思うんです。自分はできないかもしれないけど、それをあえてやるぞって言うことは、すごく大事なことだって、最近思いますね。

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イチロー ・・・僕はシアトルのちょっと田舎町にいつので。外に出て気分転換する場所ってなかなかないんですよね。だから、家の中をどれだけ充実させるかっていうことを考える。そうするとやっぱり多少、家に投資をしてしまうわけですよ。・・・なにも僕に余裕があってやってるわけじゃなくて、むしろかなり無理をしているんです、実は(笑)。

矢沢 でもそうしないと、気分転換する場所が作れないわけでしょ。

イチロー そうなんです。結局、家が快適にならないと、気持ちよくグラウンドに僕は立てないわけですから。体のケアと同じように家のケアっていうことはやっています。・・・そこまでして家に投資をすることが、結局五〇歳まで野球をやるためには大事なことだって、僕は思っているんです。それにほんとうに必要なものだと思ったら、ある程度、無理をしてでも手に入れるっていうのが僕の考えですね。