つづきです

イチロー×矢沢永吉 英雄の哲学

昨日の記事のつづきです(^^)

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矢沢 ・・・そのころ、こんなこと言ってた。矢沢がタッタカタッタカ、三五歳、四〇歳、四五歳を走り抜けて、「おいおい、これほんとうに五〇歳まで来ちゃったよ」って言えるそのときが来たら、こういうことしたいって、当時から言ってたことがあるんですよ。「五〇歳のバースデーの日に、万単位のスタジアムで『アイ・ラヴ・ユー,OK』歌いたい」って。

イチロー 願いとしてですね。

矢沢 そう。そしたら、それは実現したんですよね。

イチロー すごい。

矢沢 そのときね、別になにかを背負ってたわけでもなんでもないんですけど、あるパートで、歌を歌えなくなっちゃんたんですよ。

イチロー 歌えなくなった?

矢沢 セカンドバース、・・・「I LOVE YOU,OK 振り返れば 長くつらい道も お前だけを ささえに歩いた」っていう歌詞がある。その「長くつらい道も お前だけを」っていうパートを、歌えなくなっちゃったのね。涙がぐぅーっときて、歌えなくなっちゃったんですよ。そしたら観客ももうなんか、感じたんでしょうね。その五万人の観客が「うわーっ」ってなっちゃったんですね。

イチロー はーっ。なんか聞いてるだけで、ぞくぞくしますね。

矢沢 あのね、たしかに実現しました。・・・でもそれは、三〇代のときから「俺、五〇歳までやるからヨロシク」って言い続けてきたからできたとか、そんなことじゃないんですよ。結局、イチローさんもそうだし、僕もそうだけど、絶対いまを楽しんでやるんだ、やるべきことがあるからうれしいんだっていう人は、理屈なんてないんだよ。ただやってんだよ。ひたすらやってんですよ。・・・