男の瞑想学

今を生き抜く絶対不敗の心と体を得るために 「男の瞑想学」

 前田日明さんもヘミシンクを愛用されてると知って調べたら、瞑想についての対談本が出ていたので読みました。面白かったです。

 

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前田 瞑想をやり出すとね、人間の持っている認識上の常識がいかにいい加減かっていうことがわかりますね。時間や空間に対する認識で当たり前と思っていることが、実は当たり前じゃないんだということがわかってくるんです。

 

成瀬 瞑想してると、だんだん解放されていくんですよ。で、解放されていくプロセスで人間の感覚がそれまでの常識の枠から外れていくんです。だから自分の体の感覚がなくなることもあるし、時間とか空間の認識も、いままでの常識的な枠で捉えられていたものから解放されるんだよね。

 

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前田 写真とか見るとペラペラの薄い服を一枚着て、高度が四〇〇〇メートルという富士山の頂上より高いところで氷河に一時間も二時間も瞑想するって、「やれ!」って言われても、できないですね。

成瀬 寒いところで瞑想するために、ツンモという体温を自在にコントロールするヨーガのテクニックがあるんですよ。ヨーガのテクニックは、人を驚かすためにあるんじゃなくて、必要があって開発されてきたんですよ。だから超能力的なテクニックも、必要がなければ生まれないんです。

 

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前田 家族ぐるみでつきあいをするようになって驚いたんですけど、そういう信じられないことをしながらも、ちゃんと奥さんがいて、お子さんを全員成人させて、その上でヨーガを極めている。実はそこが一番すごいと思ってるんですよ。

成瀬 (笑)

前田 武道の世界でも凄い人はいっぱいいると思うんですけど、多いのは「武道ひと筋で、世間のことはわけがわかりません」という人が多い(笑)。でも成瀬さんはそうじゃない。そういうところが凄いですよね。

成瀬 僕はやっぱり、普通に社会生活ができないのでは瞑想の達人にはなれないと思うんです。瞑想の達人、ヨーガの達人であるということは、最高にコントロール能力があるはずなんです。コントロール能力があるっていうことは、通常の生活と修行の切り替えができるっていうことですよ。

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 コントロール能力さえあれば、当然、修行も瞑想もできるし、普通の生活もできる。税金も払えるわけですよ(笑)。それを、サラリーマン生活ができなくて、「オレには向いてない。もっと自由になりたい!」ってヒマラヤ行ったりしても、それは成功しないですよね。いまの時代はサラリーマンをやる方が修行としては凄いんだから、「とりあえずはそっちをやんなさい」と(笑)。それがわからないで逃げてもダメだよって言います。

 まずは、サラリーマンなりの社会生活を普通にこなしながら、瞑想を始めればいい。逆に瞑想でコントロール能力がつけば、どんな仕事にも役に立つから。仕事にも役立つし、人間関係にも役立つ。人生を愉しめるようになるんですよ。

 

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前田 パソコンを使ってネットサーフィンをしてると、キャッシュがたまって誤作動するじゃないですか。

成瀬 ああ、わかるわかる。

前田 人間の脳もそうだと思うんですよ。ふだん、いろんな人とつきあって、いろんな情報に触れて処理しているうちに、処理しきれなくてストレスとしてたまっていくんじゃないですかね。ある程度以上にそんなストレスがたまったら、うつ病だの、心身症だとかいったストレスに関係する病気になるんじゃないですかね。

 瞑想っていうのは、そのキャッシュを取るという効果はすごく高いと思いますよ。ほんとにスッキリしますよ。

成瀬 それは凄く良い例えだよね。結局、瞑想を身につけて、瞑想能力が高まるということはどういうことかっていると、毎日を快適に過ごして、充実した豊かな人生を歩むことに、瞑想能力を使えるんですよね。使えるっていうか、瞑想能力が高まればそういうことができるようになるわけ。