あれ?という感覚を無視しない

やっと本当の自分で生きられる

 なんとなくそんな気がするという感覚、ほんとに大事だと思います。

 

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「理由はわからないけれど、なんだかそう感じる」という感覚が「直感」ですが、ここで必ず邪魔をしてくるのが、頭で考える常識的な判断や思い込みです。

 例えば、自分の本音では気持ちが乗っていないのに、

・やっておいた方が得かもしれないから

・世間では良いとされているから

・皆が勧めているから

・時間があるから

・あの人に頼まれたから(断るのが難しいから)

 というような頭で思いつく「やるべき理由」を考え始めると、本音で感じている感覚(直感)から遠ざかります。前述のような本音とずれた理由でそれを選ぶと、必ず途中で流れが悪くなり、初めに感じた通りに物事が展開していくことがわかります。

「その物事の条件などを考えてはいけない」ということではありません。「条件を加えた上で、最終的にどちらに気持ちが傾くか、素直になって選ぶ」という意味なのです。

 AとB、ふたつの集まりに誘われたとします。感覚では、Aの方に「行きたい」と感じている。でも頭は、「Bに行った方が仕事の広がりがあるかもしれない」と思ったとします。

 直感を使うというのは、こういうときのBの考えを無視する、見ないようにする、という意味ではありません。

「Bの方が広がるかもしれない」と考えたときに、すんなりと「それならBに行こう!!」という気持ちになれば、直感もBを勧めているということです。

「Bの方が広がるかもしれない……それなのになんだかAが気になる」、こういうときに、その感覚を無視してBを選ぶともったいない、ということです。

「AにはBを上回る条件が思いつかない、それなのにAが気になる」なんて、すごいことだと思いませんか?理由がないのにそう感じてしまう意味があるのです。

 

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 何かを実現させる人は、その途中で「常識ではこっちだけど、違う方を選んだ」という選択をしていることがよくあります。そして、それを選んだ理由は「そっちに気が動いたから」という単純なものであることが多いのです。「敢えてまわりと違うもの、可能性の低い方を選ぶ」というようなことではなく、単に「そっちの方がいい気がした」という感覚(直感)で選べば良く、それこそが一番の情報なのです。

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 ・・・直感を利用するには、日頃から「なんとなく気が乗った(乗らない)」の感覚に素直になっておくことが大切です。

 特に「気が乗らない」の方は、自分のわがままに感じたり、いい加減な理由に思えて素直になることが難しい人もいるでしょう。

「気が乗らない」という曖昧な感覚も立派な直感である、と認めることです。

 例えば、同じ内容のものに、「先月は気が乗ったけど、今月になったら乗らなくなった」ということがありませんか?それはあなたの気持ちがいい加減だからではなく、時間が経ったことによって、その物事の流れが変わったからです。

 直感は、その物事の展開やタイミングなどすべてをあわせて、その人にとって良い流れになるときに「それはいい♪」という感覚(情報)を送ってきます。ですから、時間がずれれば違う感情になるのは当然のこと、まさに「気(の流れ)が変わった」からです。

 逆に言えば、「いい!」と感じたときにはすぐに動かないと流れが変わってしまいます。

「そっちがいい気がする」と感じるのは、その物事の「気」を感じているからです。「嫌な気がする」というのも、その「嫌な気」をきちんと感じている証拠です。

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 ・・・直感は日々来ている・・・そして際限がありません。・・・

「あれ?」という感覚になったことは、どんな小さなことでも無視しない、これが直感を生かすポイントです。

 大きな違和感は気づきやすいものですが、日常の何気ないレベルでも同じなのです。

 そのときどきに来る、「あれ?」という感覚を、ためしに追ってみてください。

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 先日もあるものを探しているときに、チェストから垂れ下がっていたリボンを引っ張ってみると、奥から古い手帳が出てきました。そこに書いてあったことが、そのときの私にとって非常に意味深い内容で、「今日はこれを見るために探し物をしたな」と感じるほどでした。探し物は本来の目的ではなく、その数日間ずっと私が考えていた(意識していた)ことの答えを知らせるためにあったことだったのかもしれません。

 その素敵な連鎖が起きる初めは、自分の中の「あれ?」という感覚を無視しないという、言葉にするととても些細なことなのです。「あれ?」は立派な情報です。