ただ生きてるだけでも、結構大変な気がする・・・と思うときもあり、そうでないときもあり・・・
P320
細野 星野くんは今回のレコーディングで大事件(クモ膜下出血)が起こったじゃない?どうしてもそのストーリーを思いながら聴いてしまうよね。
・・・
それで、ニューシングルのタイトルが「ギャグ」って言われちゃうと(笑)。なんかもう、ホロッとしちゃうよね。
星野 「ギャグ」は〝後〟に作ったんです。アルバムがどうしてもドラマティックになってしまうから、ちょっと抜けたいなって。
・・・
「ギャグ」って、自分のなかでは真面目な香りのするものなんですけどね。「笑い」=「真剣にやらなければならないもの」っていうイメージがあって。まじめな気持ちを歌いつつ、ジャケットはバカバカしいみたいな感じがいいなって。・・・細野さんのニューアルバム、『Heavenly Music』(13年)は何かタイトルの由来はあるんですか。
細野 普段は地獄にいるような気分なので、音楽だけでもヘブンリーで(笑)。
星野 この世は地獄だと(笑)。
細野 そう、この世には天国もあるし普通の生活もある。でも地獄もあるなと。
星野 地獄は死んでから行くところではないですよね。
細野 今、目の前にある(笑)。
星野 俺、今回倒れて初めて実感したんです。手術の前ってもしかしたら死ぬかもしれない恐怖があるじゃないですか。でもそれよりも、手術が成功して「これから生きる」ってことのほうが辛かったんです。
細野 わかる。すごくわかる。
星野 段違いに辛かった。生きるほうが辛いんだなって。だからそれはもう、地獄なんじゃないかって。つまり、生きること自体が地獄だなって。そこに実体験として気づかされました。だから逆に言うと、地獄から抜け出ようとか、抗うとか、そういうのでもなく、「既に地獄が側にいる」っていう。
細野 地獄はそこにあるんだよ。それが地獄だと思うこともあるし、天国だと思うこともある。日によって違うんだな。
星野 フラれたときは地獄ですしね。
細野 そうね。モテてるときはどうなの?
星野 もちろん天国です。
細野 ま、そんなもんだよね(笑)。
・・・
細野 さっき風呂に入りながら、「これからライブか」ってつぶやいちゃった(笑)。今月ライブがあるなとふと思い出してね。
星野 風呂場ってなぜかつぶやきますよね(笑)。原稿の直しとかがあると、「……直しか」って。
・・・
なんなんですかね。シャワーに打たれながら「うわぁああ!」ってつい叫んじゃったりしますし。
細野 そうそうそう。風呂に入ると思い出したくないことが突然脳裏に蘇るんだよ。
星野 「ダ~メだって!!」とか(笑)。
細野 言うよねー(笑)。そういえば、服のまんま風呂に入ったこともあるな。
星野 え、俺もです!なんで服のまま入ったんですか?
細野 いや、全然わかんない。ていうか、理由なんて一切ない。服のまま風呂に入る理由なんてなにもない(笑)。
星野 何故か、とってもよくわかります(笑)。