「運」は「運ぶもの」

にぎやかだけど、たったひとりで 人生が変わる、大富豪の33の教え (幻冬舎単行本)

 

 発想の出発点とか方向が、そうかそっちだったかーと思いました。

 

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 追い風も向かい風もあんまり感じることはない。運ぶという考え方に変えた方がいいかもね。「運」というよりも、「運ぶもの」やっていう。必ず相手があるので、運って考えたら自分に向いてるので。僕、自分中心の考え方が苦手。「運」っていうのは、どっちかって言ったら、自分の得や利益考えた時に出てくる言葉で、相手がある時には相手に利益を「運ぶ」という。だから同じ言葉でもどっちもある場合があるねんね。だからそういうとり方を常にしてきたように思います。とにかく相手があるほう、相手があるほうにとってきた気がするね。

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 レストランでメニュー全部って言ってしまった時、これ自己中の極みの行為と行動やねん。ところが、二回目から違うで。姉ちゃん、いっぱいオーダーされるのと、三つ四つオーダーされるのどっちが好きだって聞いたら、それはもう、うち歩合がありますから。いっぱいオーダーしてくれたら、私頑張っちゃいますけどみたいな。お前自己中やな。じゃあ、厨房のみなさんどないや、コックさんは火だるまにならへんか。いっぱいおるで、客。いや、うれしいと思いますよ。ボーナスが出ます、あとで。まじかと。じゃあ、店長もオーナーもうれしいのかって聞いたら、間違いないでしょう。よっしゃ、わかった。全部って。それで変わりました。ちゃんと確認をします。

 最初な、ごっついやらかした感が自分の中で広がって、なんてことを言ってしまったんや、てんやわんやの大騒ぎで、キッチン火だるまになってるんちゃうか。えらい事言うてしもうた。結果いい事してたっていうことが判明。

 そうでないのやら止めや。より多くの人の為になるだろう。より多くの人の心に残るだろう。まあ、そういうことを意識したらええんちゃう。そうやるとツキが回ってくる。

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 あのね、幸せっていうものは人が運んでくるもので、自分自身が構成出来るものではないということを、まずは認識しないとダメなんや。

 残念やけど、そういう事なんや。人が運んでくるんやもん。全部普通にきれいな海も、青い海も、見て幸せだなって感じることは、僕たちの先人が残してくれたこと。それは手塩にかけたり、必死の思いだったかもしれませんねってことを、汲み取る人間がどれくらいいてるかなってこと。

 

 僕思うねんけど、同じ分野とジャンルの人達で、銘柄が違うのいっぱいあるよね。

 例えばパナソニックソニー。自分の事しか言いよれへんわな。ところが、パナソニックがある日突然、電通を介してソニーのコマーシャルうってみ、世界のソニー、素晴らしいよって、パナソニックが言うてみ。えー?合併したのか、こいつらって。何もしてませんよ。さあ、ここから一気に微笑ましさを取り戻せると思わへんか。ソニーが次、どんな広告うつのか、パナソニックの。そんなのが日本やったら、天下取るって話や、もう一回、世界で一番になりよるよ。

 

 トヨタGMの広告うってごらんよ。GM最高、さわやかじゃんみたいな。GMで良かったみたいな。これは世界でどう思われる?すげーってならへんか。恐ろしい自信だとか、恐ろしい評価を受けると思うねん。我々は大切なことを見失いかけていました。そういう事やって。人を応援することが日本でした。こういうことが、パーッと英語で流れてきてみ、これはトヨタしか売れなくなるので。ざまあみろって、そしたら買収したったらええのや、GM(笑)。