試してもみないであきらめるべきでない

46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生

 大学の夏休みに参加したサマーキャンプで子どもたちに話したこと。私も実践したいです(^^)

 

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 四年生になる前の一九七四年の夏休みに、自分も子供のころに参加していたエンチャンテッドヒルズの目の不自由な子供向けのサマーキャンプのインストラクターに応募した。・・・

 子供たちとはたちまち心を通わせることができた。自分が子供のころ、キャンプでやってみたいことがあったけれど許可してもらえなかったと、メイは子供たちに話した。その計画とは、キャンプから遠くまで出かけ、帰りは既存のハイキングルートではなく、小川を渡り、野山を越えて、得体の知れない生き物と遭遇しながら、最短コースの直線ルートで戻ってくるというものだった。

「まず、それをやってみよう」と、メイは子供たちに言った。

 一行はウルシの木やガラガラヘビを避けて歩いたが、木の枝に頭から突っ込んだり、転んだりもした。それでもどうにか歩き抜いた。子供たちが背中のバックパックを地面に放り出し、はあはあ息を切らせながら「やったー!」と叫ぶ声を聞いたとき、メイはうれしくてたまらなかった。

 キャンプが終わりに近づいたある日、年長の子供たちとじっくり語り合った。子供たちはメイを尊敬していると言い、目が見えないと怖いことばかりなのに、どうしてそんなに自信に満ちているのかと尋ねた。これから世界に出て行くティーンエージャーに贈るのにふさわしい格言でも言えればいいのに、とメイは思った。でも、うまく言葉にできなかった。自分という人間を特徴づけている要素についてあらたまって考えたことがなかったのだ。そこで自分の人生や母親のことを話し、ものごとを実際に試してもみないであきらめるべきでないと語った。話しているうちに、自分の話がすべて同じメッセージを伝えていることに気づいた。

・冒険しろ

・好奇心を大切にしろ

・転んだり、道に迷ったりすることを恐れるな

・道は必ず開ける

「これを実践できれば、世界でやっていけると思うよ」と、メイは言った。「この四つのことを忘れなければ、きっとうまくいく」