子育て環境

脱東京  仕事と遊びの垣根をなくす、あたらしい移住

こんな育ち方、いいですねー♪

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「移住してから、大自然の良さがわかってきました。北アルプスのような雄大な山が残っているところはなかなかないですね。週に一度東京に行くのですが、山がなくて寂しくなるくらいです。完全に山が好きになってしまいました。
 飯縄山という2000メートルの山があるのですが、4歳の下の子が自分の足で頂上まで登り切りました。子どもって、親の声掛け次第で何でもできるんですよ。5歳の子どもは、だいたい50歳の男性と同じくらいの体力があると言われているのですが、精神面が弱いので、そこを大人がフォローしてあげれば、登れちゃうんです。上の子は7歳なのですが、彼女は6歳のときにもう北アルプスを縦走しています。
 泣いちゃうときもあるんですが、そういうときは子どもが興味を持つような話をして、盛り上げるようにします。例えば、『この先に行くと、天狗がいるらしいぜ』というふうに、ゲーム感覚で子どものモチベーションを高めるんですよ」
 ゲームクリエイターならではの発想でしょう。彼と娘さんが山を登っている映像を見せてもらったのですが、断崖絶壁のところを登っていてビックリしました。その際も、子どもの腕を掴んだり、「落ちるよ」と声を掛けたりしたらダメなんだそう。落ちるイメージを持たせると、逆に危なくなってしまうと言います。
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「実は、上の娘は普通の小学校には行っていません。最初の2週間ほど行ったんですけど、学校の授業が退屈で、合わなかったようです。このまま学校に行かせたら、勉強が嫌いな子になるなと思って、ホームスクールから始めました。それを学校にしたいと思ったとき、『大地』http://daichi-nagano.sakura.ne.jp/の園長先生に相談したら、『小学校の部をつくるんだったら、うちの敷地を使っていいよ』と言ってもらえました。それで、無認可ですが小学校をつくりました。
 この前はクロスカントリースキーのオリンピック選手をゲストに呼んで、クロカンの勉強をしました。別の日には、例えば実験をしたり、絵を描いたり、キャンプに行ったりして、勉強はほぼしません。
 でもうちの娘は、家に帰ってくると、勝手に漢字の書き取りとか算数とかしています。やっぱり好奇心なんですよね。自分から興味を持てば、勉強はおもしろいんです。ただ、算数に興味を持ったとき、チャンスと思って次から次へと『こういうものもあるんだよ』としてしまうと、逆に嫌になっちゃうんです。大人の願望ではなく、子供にとって必要なものだけを与えるように気をつけないといけないわけです。
 ピアノも自発的に弾いています。質問してきたので、楽譜の読み方だけ教えましたが、後は片っ端から楽譜を持ってきては、毎日ピアノを弾いていますね。最近では、自分で音を探して、作曲もしているんです。こういうのは、好奇心を持って自分のペースでやれるほうがいいんでしょうね。上から抑えつけると、むしろ逃げてしまうと思います」