誕生も死も…

ワンネスの扉 ― 心に魂のスペースを開くと、宇宙がやってくる

 誕生も死も、同等の美しい現象に見えたというお話です。

 

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 僕の経験では、ワンネス感覚を体験しているあいだ、時間の感覚は完全になくなる。まず、時間というものが消滅し、すべてが「今」になる。過去、未来、現在は一つになる。過去から未来へという直線的な時間軸がなくなり、一つとなるのだ。それがわかったのは、親しい人たちの誕生と死の瞬間を見せられたからだった。人生にとってもっとも重要な瞬間、誕生と死の場面が一つの瞬間として目前に現れたのだ。それを見ていると、彼らに対する愛おしさで心がいっぱいになった。

 ふだん僕たちは、赤ん坊の誕生は喜びとして、人の死は悲しい出来事として経験する。でもワンネスを体験すると、魂の立場からこの二つが同等に見えるようになり、両方ともとても美しい現象に見えた。身体に入る前の希望と興奮、さまざまな体験を重ねて身体から離れていくときに描く感謝の気持ちと喜び。死ぬときは身体から離れ、それまで積み重ねた体験と人間関係の豊かさで心が満たされている。それを眺めている僕も、喜びと悲しみを超えた素晴らしい気持ちでその死を見つめていた。

 

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 ワンネスを繰り返し体験して、「魂の声」と「脳の声」を区別できるようになった。

 魂には時間が存在しない。魂にとって、物質的なモノは意味を持たないが、人間として学んだことや人と築いてきた関係性など無形の経験は宝となる。肉体はただの道具で一時的な形をとっているにすぎない。感情、とりわけ愛は魂の言語であり、宇宙とつながる鍵だ。

 魂の声が判別できるようになると、魂からのヒントが心の中で聞こえ、魂の気持ちがはっきりわかる。ハートを通して魂からの情熱があふれるように伝わってくる。安定した脳の次元とは異なり、魂の次元はダイナミックで非物質的なため、魂からのヒントのほとんどは脳の想像範囲を超える。新鮮で新しいトーンを帯びている。