人の可能性を広げる姿勢、在り方、参考になります(^^)
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ここで少し、遺伝子オンを妨げる要因について述べておきます。「これがダメ」ということがわかれば、より、遺伝子オンに必要なものが見えてくることでしょう。
そこで参考にしたいのが、アメリカの心理学者A.H.マズローが指摘していることです。・・・
マズローは、人間の可能性を削ぐものとして、①いたずらに安定を求める気持ち、②つらいことを避けようとする態度、③現状維持の気持ち、④勇気の欠如、⑤本能的欲求の抑制、⑥成長への意欲の欠如、の六つの要因をあげています。
これらは、そっくりそのまま遺伝子オンを妨げる要因と考えていいと思います。もちろん、誰もが、ときにはこうした状況に陥るものですが、その中で、いつまでもそこにとどまっているようでは、遺伝子は永遠にオフのままでしょう。
逆に、そこで現状を打ち破るには、自由闊達な常識破りになることです。・・・
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・・・「貯金」という考え方は、幼いころから私が両親に言われてきたことでもあります。両親は、それを「天の貯金」と言っていました。
たとえば、我が家はあまり裕福ではなく、高校の修学旅行に行けなかったことがあります。普通なら「行かせてやれなくてごめんね」とでも言うのでしょう。
ところが、私の両親は、「私たちは天に貯金しているんだよ。いまは修学旅行に行けなくても、お前は将来、きっと世界中を旅できるようになる」と言っていました。
こう考えると、先人たちの努力は、まさに「天の貯金」です。その貯金がなければ、いまの遺伝子工学の繁栄も、私の研究成果ももたらされなかったことでしょう。
どんな仕事をしていようと、何事も自分一人で成し得るものではありません。その陰には、必ず多くの人の力があるはずです。このことを常に意識し、自分も人のために貯金をしようと思っていれば、遺伝子は自ずとオンになるものなのです。