あの世に聞いたこの世の仕組み

もっと あの世に聞いた、この世の仕組み

雲黒斎さんの本、これ読みそびれてて、最近読みました。
わかりやすくて、色々整理された感じです。
またメモしておきたいと思います。

P118
 ・・・「いま」と「過去・未来」は、存在する次元が違う。「いま」は体感できるが、「過去・未来」は体感しようがない。また逆に「過去・未来」は思考する(思い出す・想像する)ことができるが、「いま」を思考することができない。概念的に「いま」をつかもうとしても、それはすぐに過ぎ去ってしまうからね。
 つまり、「いま」は『体感(リアリティ)の次元』、「過去」と「未来」は『思考(マトリックス)の次元』といえるだろう。それともう一つ。「過去」と「未来」はどちらも『思考の次元』にあるが、それでも同軸では語れない。よし黒斎、ここらで思考実験だ。それを実際に経験してみようじゃないか。
「思考実験?」
 考えてみてほしい。「過去」と「未来」を同時に思い描くことは可能だろうか?
「過去と未来を同時に……。いや、できませんね。」
 だろ。この二つは「頻繁に往復する」ことはできても、「同時に思い描くこと」はできない。つまり、この二つも同軸では語れないということだ。・・・
 思考の流れは二つある。「いま、過去(記憶や記録)を参照する」という流れと、「いま、未来(予測や恐れ)を思い描く」というものだ。そして「時の流れ」という概念は、この枝分かれした二つの間を結んで生まれる。時の流れは、思考の次元内においてのみ存在するもので、そこに「いま」は含まれない。
 意識が「いま」というゼロポイントと完全に一致していると、「時の流れ」は消失する。その意識状態が、いわゆる「さとり」と呼ばれるものだ。
「はー!なるほど」
 ・・・
「こういう過去があるから、未来はこうなるだろう」といった予測や、「理想とする未来のためにはこういった原因が必要だ」といった計画など・・・人の「思考」は、無意識に「時間」という縛りを受けながら行われている。
「つまり、『いま』に帰ると、過去や未来(断片的に切り取った事象に対する意味づけ、それによって生まれたストーリー)にとらわれることなく、本当の意味で『いまを生きる』ようになるということですね」
 そのとおり!
「いまを生きる」というのは、「まじめに生きる」ということでも、「勤勉に生きる」ということでも、「誠実に生きる」ということでもない。観念によって固められた世界から脱して、あるがままの世界を生きるということだ。
 その意識状態が身についていくほど、人生は因果を超えて大きく変わり出す。・・・