スポーツにしても何にしても、なんで観たいのか、ひきつけられるのかと言ったら、感動できるから…
「スポーツシーンにおいて、同時代に生き、同じ感動を胸に刻めることほどしあわせなことはあるまい」
さすがプロというプレーは、ああ観ることができて幸せだった、としみじみ思います(^^)
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昨シーズン、松井選手がヤンキースでフル出場を果たせたいくつかの要因の中に、トーレ監督も高く評価した彼のベースランニングがある。今シーズンはさらにその評価が高まり、二アウトでランナー一塁、または二塁のケースで彼が外野にヒットを放ち、そのランナーを本塁に突入させるために、彼はわざとオーバーランをしてランナーをホームインさせたプレーが何度かあった。
試合後、トーレ監督が語っていた。
「あのマツイのベースランニングは素晴らしかった。彼はベースボールをよく知っている。皆見習うべきだ」
・・・
彼の走塁でもっとも印象的だったのは昨シーズンのプレーオフ、アメリカン・リーグ優勝決定シリーズの第七戦の八回裏で、松井選手が同点のホームインをした走塁であろう。
アメリカのテレビのスポーツ番組がシーズンオフに入っても、あの走塁シーンをVTRで何度となく放映して、彼のベースランニングを誉め讃えた。あの走塁のことを訊いてみた。
「はい。あのベースランニングはとてもよく憶えていますね。ボールが野手の間に落下するかどうかを見極めて、思い切ってスタートしました」
「けれど本当に落下するかどうかの前にスタートを切っていた気がするけど?」
「そうなんです。リスクもともなうベースランニングでしたが、一番近い距離でボールの行方を見ていたのは僕ですから。僕が判断して突進するのが一番正しいと思いました」
結果、ヤンキースは土壇場で同点に追いつき、延長戦に入ってブーンのサヨナラホームランでワールド・シリーズにむかった。
「ベースランニングが上手く行った時のヤンキースタジアムの興奮はすごいんです。プレーヤーとしてお客さんにプロのプレーを見せることができたという実感が湧いて、それは気分がいいものです」