元宝塚トップスター柚希礼音さんの本を読みました。
大変な立場にあったからこそわかったこと、いろいろ参考になります。
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劇団員となって5〜6年目になると、仕事もおもしろくなり、任されることも増え、同時に後輩も増えてきます。
後輩の前で良いところを見せたいと思う不要なプライドが、自分の成長の邪魔をする―。これは、どの世界でもいえることではないでしょうか。
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稽古場での稽古は、後輩にカッコいいと思われるためにするのではなく、お客さまに披露するためのレッスンです。稽古場ではどれだけ失敗しても笑われてもいいのに、中堅の壁に阻まれると、後輩に「ヘン」と思われたくないあまり、やりたいことを出し切れません。
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「稽古場でコケてもいいから、やってみる」
そういうチャレンジをしなくなると、すべてが守りに入って無難にまとまります。軽いチャレンジだけでは、「まぁまぁカッコいい」で終わってしまうのです。
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自分がトップになってからも、稽古場で想像を膨らませて大胆なことをやった結果、シーン全体がコケ、みんなに「あーらら」と思われたこともあれば、爆笑されたこともあります。
でも、稽古場で人目を気にしなかったことが、本番の完成度を高めていくのです。失敗の繰り返しが、「プロ根性」を育てるのだと私は断言できます。