さとりってなんですか?

教えて、お坊さん! 「さとり」ってなんですか

教えて、お坊さん!「さとり」ってなんですか
という、著者が6人のお坊さんにインタビューしたものをまとめた本を読みました。
おもしろかったです(^^)
また印象に残ったところを書きとめておきたいと思います。

こちらは臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺さん、さとりとは「夢であると気づいた上で夢を生きること」だそうですが…

P61
横田 『伝心法要』なんて、小出さん、聞いたことありますかね。中国唐代の禅僧・黄檗禅師の語録なんですけれど、なかなか面白いですよ。そこにはこんなことが書いてあります。
 すべては仏心ひとつの心。仏心以外のものは、なにものもありはしない。それと異なっているものは、なにもありはしない。だから修行したからと言って優れるということもない。怠けていたからと言って劣ることもない。それらは現象であらわれた姿かたちであって、つまりは「迷い」である。この世の中では、なにもさとるものがないと気がつくことこそがさとりである、と。
 ・・・
 ・・・たとえて言うのなら、みんな一緒に大きな電車に乗っているようなものなんだ。一生懸命前の方に行って、先頭車両の一番前に乗っていても、後ろの方の車両でごろごろしていても、ちゃんと同じ時間に同じ駅に着くんだから、一生懸命やっているからと言っていばることもなにもありゃしないし、ぼやっとしているからと言って落ちこぼれることもないんだ、と。
 だけど妙に一所懸命やっていると、やっぱり人間、勘違いしてしまうんですね。自分が一生懸命動いているからこそ、この電車が走っているのだと、そんな風に思っちゃうんです。それがズレなんですよ。
 まあ、私もようやくそれぐらいのことには気がついたね(笑)。自分も、いままで、随分勘違いしていたなあ、って。