あーす・じぷしー

EARTH GYPSY(あーす・じぷしー)

山川紘矢・亜希子ご夫妻が推薦されていた「あーす・じぷしー」を読みました。
素敵な本でした。
写真やイラストもきれいで、内容も著者と一緒に冒険している気持ちでワクワクしました。
この本は、なんのために生まれて、なんのために生きるのか、その答を見つける実験の旅の記録です。
最後、どんな答にたどり着くのか…は、ぜひ読んでいただくとして、その過程の部分で、印象に残ったところを書きとめておきたいと思います。

P15
そして、2回目の専門学校生になった今、また私は路頭に迷っていた。
結局学校で服の勉強をしていても、いつも違和感がつきまとったのだ。また充実感がなかった。
心に違和感があるのに外ばかりに答えを求めて、そんなので正解にたどり着くわけない。自分と向き合おうとせず猛進していたんだ。
「努力」とはカッコいい言葉だけど、心を大切にする努力が人生で一番大事なはずだった。それをすっかり忘れていた。
だけど、“もう服じゃなくてもいいのでは?”この決意が絶対できなかった。
だって7年もかけてやってきたことだもん。

親にはなんて言えばいい?友達の皆には?
それに夢や目標がなくなったら私には何も残らない……。
そんな気持ちでいっぱいだった。

だから“もう服じゃなくてもいいのでは?”“本当のやりたいことは他にあるんじゃないか?”という心の声は、「絶対聞いちゃいけないこと」になっていた。
だって今までの苦労や、私の証明が全部なくなってしまうから。
私には何の価値も無くなってしまうから。
だから本当の気持ちは全部心の奥に隠したんだ。何十にも蓋をして。

絶対見てはいけないもの、それは自分の本音だった。