不協和音をメロディーに

自閉症のうた

おわりに、に書いてあったメッセージです。

P212 
 この本を読んでくださって、どうも、ありがとうございました。
 人生には、楽しいことや嬉しいことも、たくさんありますが、どうしようもない悲しみに襲われることや、辛いことの連続だと思うことも少なくありません。
 人は、すぐに感情に左右されます。悲しい気持ちを抱えたままでは生きられない人も多いのではないでしょうか。起こったできごとを変えることはできませんが、全てのできごとは、その人のとらえ方次第で、いくらでも変えられるものなのかもしれません。
 空想したり、夢を見たり、憧れたり、落ち込んだり、人の頭の中は、いつもさまざまな思いで一杯です。その気持ちを、どこにしまえば落ち着くのか誰もが悩んでいます。
 自分らしく生きるために、心の中に存在する不協和音を一つのメロディーとして奏でられるよう、僕も努力を続けるつもりです。
 命を少しずつ削り、時間をかけながら心に折り合いをつける。それでも人生は美しいと思えるような作品を、これからも書き続けたいです。