ボクは坊さん

ボクは坊さん。

この本が映画になったという記事http://www.1101.com/bose/2015-09-11.htmlを見て、読んでみました。
すごーくよかったです。
文章が上手で、さだまさしさんを連想するようなセンスのよさを感じました。
また印象に残ったところを書き留めておきたいと思います。

P81
大般若経』はさまざまな時代に成立した般若経典群を集大成したもので、般若経典はそれまでの仏教から大きな展開を見せ、修行者、出家者のみではなくて、普通の生活を送る人々をも救うという視点を強く視野に入れた「大乗仏教」を宣言したと言われている。その“他者のために”という「慈悲の心」をもつこと、そして「空」の思想は、大乗仏教般若経典の大きな特徴だ。
 あらゆるもの、「私」や「他者」さえも「空」であり「本来は固定された実体をもたない」と理解すると、「慈悲の心をもつこと」は、ひとりひとりの幸せのために合理的な行動だとわかるのだと、僕は繰り返し師から伝えられた。そのあらゆるものが「固定された実体をもたない」のはなぜかということは、すべてのものが、それ以外のものとの関連性によって成っているから、と説明される。つまりたとえば「ラーメン」がラーメンそのものだけで、ラーメンとなりえているわけではなく、ラーメンを食べる人やうどんなど、ラーメン以外の存在との関係性の中でこそ「ラーメン」になっていると考えているわけだ。「空」の思想においては、他者や自我という境界線は解き放たれているので、自分と同じように他者を考えることができ、自然とやさしい慈悲の心がおこってくる、とされる。

映画の公式サイトはこちらです→http://bosan.jp/