伊達公子さんの本

進化する強さ (一般書)

伊達公子さんの「進化する強さ」を読みました。
松井さんの本と、読み心地が似ていました。
すごくまっとうというか、柔軟性もありつつ本気一直線というか・・・
また少し、書きとめておきます。

P90
 スランプから抜け出す方法を聞かれることがありますが、簡単には説明できません。練習方法なのか、体力なのか、技術なのか、考えられるすべての方法を試してみてもなかなか勝てない時はあります。アスリートなら誰もがきっと味わう低迷期という悪夢の日々。でもここであきらめてしまっては、成長できません。
 自分の中で様々な努力をしていると、ある瞬間に波に乗れる時が来ます。そのきっかけは、環境かもしれないし、天候かもしれないし、コートかもしれないし、観客の声援かもしれない。でも、単なる運ということだけではなく、何かが化学反応のように突然起こるのです。流れが面白いようにガラッと変わって、自分の味方についてくれたように感じられることもあります。
 前述したように試合は、まるで人生のようです。いい時もあれば悪い時もある。ちょっとしたおごりや不注意がミスを呼び、まさかというような負けにつながることもあれば、少しの意識と機転で格上の相手であっても勝てることがあります。大事なのは、たとえ悪い時が続いたとしても、腐らず、やけにならず、いかに冷静でいられるか。
 それは、頑張るのではなく、まさに踏ん張る時なのだと思います。