おもかげ復元師

おもかげ復元師

亡くなった方のお顔を、生前のように復元し、納棺するお仕事をされている方の本です。
専門学校の学生さんにすすめられて、知りました。
心が震えて、涙がポロポロ、ポロポロこぼれて、読み進めるのが大変(/_;)
ハンカチ片手に読みました。

本筋からはちょっと離れた部分の引用ですが、少しだけご紹介です。

P212
 復元でいちばん大事なこと。それは、自分に負けないことです。勇気と根性です。
 そして、この人は生きていたのだ、とあらためて理解することです。

P231
 復元ボランティアで走り出したばかりのときのことです。
 ご自宅で、津波で亡くなったお嬢さんの復元をさせてもらい、対面していただいた後で、その子のおばあちゃんに手招きされました。
「ちょっと、こっちに来て」
 わたしは何かへまでもしたかと思ってちょっとドキドキしながら、おばあちゃんの後について廊下に出ました。
「あのね……」
 話しだしたおばあちゃんに、わたしは身を乗りだしました。すると、小さなしわしわの手で、両手をぎゅっと握られました。
「あなたのこの手は、これからたくさんの悲しみに出会うんだね。頑張れるように、おばあちゃんが魔法をかけてあげる。頑張れなくなったら、これを思い出して。わたしは、ずっとあなたを応援しているから」