印象に残ったところです。
P99
人間の心がつながっているということは、実験室レベルでも確かめられます。
エドガー・ケイシーの孫であるチャールズ・トマス・ケイシー氏は少年時代、デューク大学で次のような実験を受けたそうです。
・・・
研究員たちは少年のチャールズ氏をある建物の一室に入れ、血圧や体温などを測定する装置につなぎ、椅子に座って1時間ほどリラックスするように指示を与えました。
一方、そこから離れた別の部屋には、チャールズ氏とは縁もゆかりもない第三者が招き入れられました。そして彼には10人ほどの名前が書かれた1組のカードが渡されました。実は、この名前のカードには、チャールズ氏が深い愛情で結ばれている5人の名前と、電話帳からランダムに選ばれた、チャールズ氏とは無関係な5人の名前が記入されていたのです。
チャールズ氏が別室でリラックスしている間その第三者はカードを混ぜると、その中から無作為に1枚取り出し、正確に5分間そこに書かれてある名前を心に強く念じるよう指示されました。そして1人目が終わると5分間休憩して、同じ操作を繰り返します。チャールズ氏は、もちろんどのような実験が行われているかは知らされていません。実験が終わって面白いことがわかりました。チャールズ氏と深い愛情で結ばれている人の名前が念じられる時間になると、彼の血圧や体温、心拍数に変化が現れたというのです。自分の愛する人の名前が誰かによって念じられるだけで、知らず知らずのうちに生理的な変化があったというのです。
同様の実験を数百人の一般人を対象にして行ったところ、チャールズ氏と同様の結果が得られたということです。このことは、私たちの誰もが心の深い部分で他の人の心とつながっていることを実証しているといえます。
P108
これはケイシーの亡くなった母が登場してくる話です。
ある人のリーディングを取り終えて、目覚める途中のケイシーが、突然、一方通行の会話を始めました。・・・
リーディングから目覚めたケイシーは、亡くなった母と会って話をしていたと、感慨深そうに語りました。おそらくケイシーの前に、懐かしい母が現れたのでしょう。そして母との会話の中で、長男のヒュー・リン・ケイシーが、ボーイスカウトの活動でヨセミテ国立公園にキャンプに行っていることを知らされたというのです。ちょうどヒュー・リンが手紙を書いて、それをキャンプ場のポストに投函したところなので、まもなくその手紙が届くだろうということでした。
ケイシーは、生前の母に対するのとまったく同じように、霊的世界の母と話をすることができました。霊的世界での母の近況などを聞いたり、ケイシーにとって心なごむ一時だったようです。それから1週間くらいして、果たせるかな、ヨセミテ国立公園にキャンプに行っていたヒュー・リンから手紙が届きました。その様子は、霊的世界の母から聞いた通りでした。
このエピソードから私たちは何を考えるべきでしょうか。
まず、私たちと生前強い絆で結ばれていた人は、その死後も、霊的世界から私たちのことを見守っている可能性があるということです。同様に、私たち自身も、死後、この世に残した愛する人々を霊的世界から見守ることができるのです。・・・
しかし、別の視点からすると、私たちが常に見られているというある種の恐怖を喚起します。つまり、私たちの思いや行為は、どんなものであれ究極的には隠すことができないという恐怖です。・・・
・・・しかし、自分のこれまでの行為や思いがすべてバレているということを徹底的に考え抜くと、自分自身を偽ることの無意味さを思い知らされるようになりました。他人にどれだけ自分を偉そうに見せたところで、本当はバレている。少なくとも霊界に行けばみんな私の真実の姿を知っている。そう思うと、偽りのプライドも、偽りの卑下も、肩から力でも抜けるようにスーッと抜けていくのです。「どうせ真実の私の姿が知られるなら、この世で生きている時も、最初から自分に正直に生きよう」そんな開き直りの精神が生まれてきます。虚栄のない自然体の生き方が、かえって可能になります。