藤井聡太さん

天才 藤井聡太

「天才藤井聡太」を読みました。面白かったです。
奇跡と思えることが達成される瞬間を見ると、すごく感動しますし、感動をありがとー!という気持ちになります(^^)
この本の最後はこんな風でした。

P190
「将棋は深いゲームなので、ものすごく強くなれる余地はあると思います。強い人にしか見えない景色があると思っています。将棋に巡り合えたのは運命だったのかなとは思いますし、強くなることが使命……使命までいくかは分からないですけど、自分のすべきことだと思います」
 六月二十六日、藤井は第三〇期竜王戦決勝トーナメント一回戦で増田康宏四段に勝ち、公式戦二九連勝の新記録を樹立した。
「自分でも信じられない。苦しい将棋もあったので、非常に幸運でした。特別な感慨。今までと違った喜びがあります」
 会見を終え、帰途に就こうとした藤井の前に、誰も見たことのない光景が広がった。二〇〇人を超えるファンやメディアが将棋会館の駐車場に長い花道をつくり、新しい英雄を見送ろうとしていた。まだ幼さを残す少年が姿を見せると、歓声と拍手が響き、無数の閃光が夜を照らした。
 羽生義治からは祝福の談話が寄せられた。
「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」
 遠くない日に、時代の担い手を決める勝負が実現するかも知れない。
 終局後の藤井聡太には、たった一つの顔しかない。
 勝ったのに、まるで哀しみを見つめるような瞳でうつむく。質問を受け、ようやく少しだけ笑う。
 敗れた時の顔は、まだ見たことがない。