対談集

横尾忠則対談集 芸術ウソつかない (ちくま文庫)

改めて、横尾忠則さん面白い!と思い、立て続けに読んでます。
この対談集は、組み合わせが豪華でびっくり。
井上陽水篠山紀信瀬戸内寂聴河合隼雄引田天功ビートたけし・・・などなど。

こちらは細野晴臣さんとのお話。ここを読んで、前半では「心を開いて愛の源につながる」http://www.aqu-aca.com/seminar/openyourheart/でやっているのはこういうことなのだろう、後半では「本質に気づく、目覚めのコース」http://www.aqu-aca.com/seminar/towakeup/でやっているのはこういうことなのだろう、と思いました。

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横尾 僕も居直ったわけじゃないけど、自分のことを発見したというか。僕の中に、多面的、多義的なキャラクターがあって、それをとにかく片っ端から引っ張り出そうと思ってる。これをやっていくと、完全に自意識を消せるような気がする。ここ五日間で一五〇号の絵を三点描いたんだけど。

細野 すごいエネルギーだ。

横尾 ひとつはプリミティブな絵で、ひとつはリアリズムで、ひとつはアブストラクト。全然違うわけ。「これが僕のスタイルです」って固めていくことが芸術、創造だと思ってたのが、そうじゃないんだと。以前は自分を出そうとしたけど、全然出す必要なくなったの。そうなるとすごく楽だし、なんぼでも描けるから。

細野 いい状態ですね。

横尾 「賛成してもらう」とか「認めてもらう」ために描くのを一切やめたから、解放された気持ちよさがあるんですよ。認めてもらわなくてもいい状態に自分を置くと、すごく楽になる。

細野 そうか。それはもう、ある到達点ですね。

横尾 出発点かもしれない。・・・僕は自意識なんて、屁のツッパリにもならないと思う。・・・自意識ほど、自分を狭くして、生きにくくしてるものはないんじゃないかしら。

細野 でも、みんなそれを大事にしてますよ、相変わらず。それが自分だと思ってる人がほとんど。

横尾 何にもないのが自分じゃない?あるのが自分というのは幻想で。