宇宙的な生き方

横尾忠則対談集 芸術ウソつかない (ちくま文庫)

意識と無意識をひとつにする生き方がもっとも宇宙的な生き方なんじゃないか、まさにそうですね〜(^^)

P92
横尾 僕、シュールレアリスムから入ったから無意識には興味があったんだけど、最近、無意識ってそもそも無いものじゃないかって思う。というか、無意識はあるんだろうけど、意識と無意識をひとつにする生き方がもっとも宇宙的な生き方なんじゃないかと思う。原人の世界にも意識と無意識の区別は多分なかったと思う。

中沢 多分ではなくて、無かったんです。・・・そもそも、日本語には明治時代まで「無意識」という言葉がなくて「心」しかなかったからね。ヨーロッパが発明したものだから。

横尾 あ、フロイトが発明したの?

中沢 ユダヤ教が発明したものでしょう。あの神様のありかたは根本的に抑圧をするもので、何を抑圧するかというと、人間の生命力が沸き上ってくる源のところなんです。そうしないと一神教ってできないから。だから、どうしても無意識が発生してしまう。フロイトはそれを再確認しているだけだと思う。臨床心理学の河合隼雄さんとよく話すんだけど、日本人には無意識が無いんじゃないかって。意識と無意識とをわけるんじゃなくて全部意識なんですよ。

横尾 僕が言いたいのはそれ。