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「最近、自分が勘違いしていたことに気づいたんです。私は運がいいから、こんなにものごとがうまく運ぶんだと思っていたと前に話しましたよね。本当に不思議なことが次々と起きたから。いつも、必要な時に、必要な人が私の前に現れて助けてくれた。私ってなんて運がいいんだろうと思ってた。私の運がいいから、こんなにみんなが助けてくれるんだって。だけど、そのうち、そうじゃないってことがわかってきた」
りんはしみじみとそう言った。
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・・・運命としか思えないような不思議なことがたくさん起きていた。
たとえばリーマンショックでさえも、後から考えてみれば重要な出来事だった。最初から充分な資金があったら、りんたちはサマースクールを開催していなかった。そのサマースクールがなければ、現在のISAKは存在していない。
2013年11月に始まったISAK第一期生の募集に対しては、世界21の国と地域から233人もの子どもたちからの応募があった。選考の結果、15の国と地域の49名の生徒がISAKの第一期生となった。
それだけの数の教師や子どもが、創立したばかりのISAKを選択したのも、サマースクールに参加した教師や子どもたちの口コミが広がっていたからだった。
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普通に考えれば、逆風続きだった。けれどそのさまざまな出来事すべてが、結局はISAKの開校を助けてくれた。
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「私じゃなくて、このプロジェクトが成功すべく運命づけられてたんだって、今は思っています。こういう学校を世の中が必要としていたからこそ、たくさんの人が協力してくれたんだと思う。それは私の運じゃない。Everything is meant to beって言うじゃないですか。すべてのことには意味があるって。まさにそういうことじゃないかって思う。いろんな出来事があったけど、そのすべてが不思議なくらいISAKの開校のために力を貸してくれた。私の今までの人生も、まさにそのためにあったんじゃないかって、今は思っています。ISAKは生まれるべくして生まれた。そういう運命にあったんだと思う。私も、そこに引き寄せられた一人でしかないんです」