たまたま目について「パリでメシを食う。」という本を読みました。
ふとした流れでパリで仕事をすることになった10人の方の人生が描かれています。
この中に、きのうの記事に書いたような生き方をしている鍼灸師の方がいました。
P288
勝ち組とか負け組とか、そんな単純な分類に当てはまらない生き方。人は本当にどう生きてもいい。時間やお金に縛られながらも、安定して生きるのも一生。サクレ・クール寺院を眺めながら、好きなことをして生きるのも一生。
「お二人はどんな時に幸せを感じますか?」
など愚にもつかない質問をしてみた。センセイは少しキョトンとした。
「日々、シアワセだよねー。ああ、お天気いい、幸せ。あ、今日も患者さんが来る、鍼が打てる。嬉しいなあ、なんて。治療できるだけで幸せだよね」
センセイがそう言うと、基久乃さんがニコニコと頷いた。
「うん、うん。岩岡は、ほら、治療したくても患者さんがいない時期もあったから」
「難しい治療もあるんだけどさー、好きだから」
「私もね、あのバレリーナさん、元気に踊れるようになって良かった。友達とご飯食べて、たくさんお酒飲んじゃって、ああ、飲みすぎ!楽しいなあ。なんて、日々シアワセを感じてます」