記憶と脳

羽生善治 闘う頭脳 (文春文庫)

羽生善治さんの「闘う頭脳」を読みました。いろんな分野の方との対談が載っていて興味深かったです。
こちらは脳科学者の池谷裕二さんとの話で、へぇーと思ったところです。

P58
池谷 ・・・例えば、脳は眠っている時でもフル活動しています。・・・睡眠が深い時の脳は覚醒時よりむしろ活発です。・・・

羽生 記憶というのは寝る前に復習すると残りやすいと聞いたことがありますが、本当ですか。

池谷 ええ。特に寝る1〜2時間前が記憶に定着しやすいんです。私は「ゴールデン・アワー」と呼んでいて、毎日この時間帯に仕事をするようにしています。
 時間帯の話で言えば、お腹が空いている時の記憶力はバカにできません。空腹になると胃から脳の食欲中枢へグレリンというホルモンが出るのですが、これが記憶を司る海馬も刺激し、記憶力を上げることがわかってきました。これは動物本来の姿を考えればある意味当たり前です。空腹時には、食料の在り処や獲得の動きなどを覚えてなければならないですからね。
 あと、水は重要ですよ。体から水分が1%減ると、実は記憶力や思考力が低下するんです。